- 戦略立案組織と開発組織が異なり、情報が正確に伝わらない
- 戦略立案組織と開発組織が異なり、組織間に業務の優先度に違いがある
- 戦略の抽象度が高く、行動計画に落とし込めない
- 戦略を踏まえ開発計画を立てると、QCDを達成できないことがわかった
実践してこその戦略立案 新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その13)
2018-07-23
今回は「実践してこその戦略立案」について解説します。
当たり前のように感じられるかもしれませんが、実は戦略を実践に移せない企業は結構あります。市場調査や競合調査をしっかり行い、自社のコア技術の方向性を示したにも関わらずなぜ実践できないのでしょうか?
当然、作成した戦略は承認されたものにも関わらずです。
よくあげられる理由は、次の4点などです。
新規事業・新商品の開発がうまくいっていないと感じる企業である場合、戦略を立案することだけをミッションとする組織があるとこれは厄介です。
戦略はあくまで実践してこそ意味があります。行動しない戦略は、「絵に描いた餅」となります。
既存事業や既存商品のようにある程度、将来が予測できる、もしくは安定的な市場ニーズを予測できる場合は別として、新規事業立ち上げ期に作成する戦略は開発メンバー自らが取り組むように進めてください。
なぜなら、自分が開発すると理解することで当該意識が芽生え、実際の開発をリアルに想像することで「実践可能な戦略」、「行動につながる戦略」を作成するからです。
また、リアルに想像して戦略を立案するということは、品質・開発日程・開発コストを含め、社内外に期待する協力や資産を踏まえた、より現実的な開発計画を初期段階で作ることができます。
そのため、実際の開発スタート時に見直したらQCD計画が破綻するということにはなりにくいでしょう。
また協力依頼先への事前ネゴシエーションなども並行して進めることができ、結果として早く開発を進めることができます。
戦略は実践・実行してこそ、価値があります...
。せっかく時間を使って作成するのであれば、意味のあるものにしたいですね。
次回は、新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その14)10年後のロードマップの考え方を解説します。