技術承継への道のり 新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その45)

 
  
 
 国内産業の課題の一つにもなっている「事業承継」、あなたの会社・組織の技術資産は、承継の仕組みがうまく回っていますか?
 
 新規事業・新商品を開発するにあたっても、過去の技術資産を調査したり、モディファイすることが多く発生します。
 
 当時のエンジニアが社内に在籍していれば問題ないのですが、転職や移動、または退職などの様々な要因で誰も分からない、手をつけることができない「ブラックボックス資産」が存在してしまうことがあります。
 
 そして、この「ブラックボックス資産」が商品・サービスの重要なファクターとなっていることが往々にあります。開発当時は担当者がアサインされているため、管理者や開発リーダーなどが概要を把握していれば問題にはなりにくいのですが、いざ担当者が不在となり、また詳細設計まで入り込むことが必要になると、厄介です。
 
 昨今の複雑なシステムであればあるほど、一筋縄ではいきません。
 
 このようなリスクを回避するためにも、技術資産の承継を習慣化しておく必要があります。
 
 具体的には、「仕様書などドキュメント化しておくこと」です。またソフトウェア開発であれば、「コードレビューをすること」も有効です。
 
 プロジェクトに関わる開発担当者同士でソースコードの品質を向上させる目的で行うレビューですが、ソースコードを共有することで、不在時にフォローをすることができます。
 
 ハードウェア開発においても、「CAD図面レビュー」や「基板回路レビュー」を行い、複数人で設計情報を共有することでリスク回避ができます。
 
 単にドキュメントを作成するのではなく、成果物であるソースコードや回路などと一緒にレビューすることで、技術承継の精度が上がります。エンジニアはドキ...
ュメント化に否定的であったり、後回しにしがちな傾向があるので、リーダーは常に根気よく、日常的にマネジメントをする必要があります。ドキュメント化の目的と効果を説明し、納得して作業ができるよう働きかけをしてください。
 
◆関連解説『技術マネジメントとは』

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