今回は問題解決による顧客価値創造の方法についてお伝え致します。まずは、新商品開発というと、マーケティング的には新たな市場を作ることと捉えがちです。実は新たな市場を作るとなると、この成熟社会において、一筋縄ではありません。常に新しく画期的な商品を検討する必要があります。
この方法、市場が成長している段階ですと有効です。問題は成熟社会ですと外部のカリスマ企画マンに委ね、企画担当者は常に先読みのマーケティングに疲弊してきて、最悪、売れるかどうかは判断が付きません。次の視点は、ものづくりにおいては、顧客ニーズは技術と捉えます。技術者は新技術創造、それが重要との捉え方があります。こちらも常に新技術を創造するには一筋縄ではありません。すべての技術者が新技術に奔走し、疲弊してきます。この方法も技術担当者は疲弊してきます、昔のように新技術が多々出てくる時代でありません。また、顧客がお座なりになり売れるかどうかの判断は付きません。
さて、品質管理は製品や従業員を管理をして不良をなくし、よい製品を設計、生産すると捉えます。これは狭義の意味です。広義の意味では、顧客満足を達成するためにサプライチェーンを最適化、問題解決していくという考え方があります。この場合は顧客に焦点を当てて、魅力的品質を提供していくと定義があります。
組織の視点では魅力品質ですが、顧客の視点では感動商品企画になります。品質管理の中で研究されているのが、顧客満足達成のための価値創造が必須と言われています。
具体的に「感動商品を企画せよ」とありますが、目的は顧客にとっての潜在ニーズを先読みして、顧客要望に合致した商品企画が重要となります。潜在ニーズは顧客も知らない価値を意味するので、この発掘には顧客に密接寄り添って、価値創造する必要があります。
【 顧客に提供する商品 】
- 安心、安全、信頼性を担保すること
- 利便性、機能が優位なこと
- 意匠、デザインが優れていること
- 商品自体は品質に優れていること
- 顧客が思った以上に感動すること等々
【 顧客の要望を明確にして、問題解決する方法 】
- 現在の商品が満足するか測定し、問題点を洗い出します。
- 問題点を改良改善する方向を検討します。
- 改善、改良する商品案が顧客要求に合致しているか検証します。
- 顧客要求に合致した商品案を具体化する調査を行います。
- 具体化する商品案が要求品質と自社の技術合致しているか対照します。
- 商品化した商品が満足しているか測定します。
これの繰り返しを作り手が行いながら、着実に問題解決...
していきます。具体的方法論としては次のようなことです。
- 顧客へインタビュー調査
- 顧客へのアンケート調査
- 商品案のポジショニング分析
- アイデア発想法
- アイデア選択法
- 具体的商品案のコンジョイント分析
- 顧客要求と技術の橋渡しの品質表
以上を繰り返し、重ねて行うことによって、正のスパイラル効果が働き、顧客の要望が明確に提供できるようになります。