絶対に行ってはいけない改善 儲かるメーカー改善の急所101項(その13)

 

2.モノづくり〈現場改善の基本〉

◆ 絶対に行ってはいけない改善

 今回から2章に入ります。現場改善の基本の章です。どうぞよろしくお願いします。

 改善(カイゼン)は『善く改める』と書きます。悪くするのではなく善くするのですから、やった方がいいに決まっています。でしたら絶対に行ってはいけない改善があるというのはおかしくありませんか?こう思われた方もいらっしゃると思います。

 「こうしたら楽になる」とか「ひと手間減らせる」という改善は大変に良い改善です。しかし、仕事の中にムリやムダを発見して取り去った改善であればいいのですが、「落下制止用ベルトを装着するとちょっと締まって苦しいので、ベルトをやめたら楽になった」とか「時々しか不良は出ないので、これまでやっていた検査を全数から抜き取りに変えたら手間が減った」と言われたらどうですか? 

 さすがにこれは改善とは言わない、と反論されそうですね。そうです、これは改善ではありません。 

 なぜこれが改善ではないかというと、改善は安全で品質が良いことを前提にして行われるものであるからです。安全は前提であり、品質は第一です。それらの前提や順番を無視して自分にとって楽になるというのは改善ではないということです。

 万が一、事故を起こしたら作業者と会社の未来がなくなるかもしれません。また品質や納期を含めてお客様に少しでも不利益になるとしたらそれは改善ではなく単なる省略であり、むしろ改悪であると考えましょう。

今回の言葉  

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    安全が損なわれることと、お客様に不利益になる改善は、絶対に行ってはならない。
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「儲かるメーカー改善の急所<101項> 」
日本経営合理化協会出版局 柿内 幸夫 

 

◆関連解説『生産マネジメントとは』

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