商品企画七つ道具の手法の経緯、変遷(その3)

 

【目次】

 

◆ 商品企画七つ道具とは

 前回の商品企画七つ道具の手法の経緯、変遷(その2)に続いて、解説します。今回は、その3として2013年に紹介された商品企画七つ道具について解説します。

 商品企画七つ道具は、1995年に商品企画のシステム化を目的に考案された手法です。TQCのパラダイム構築を目指し、商品企画とマーケティング課題を研究し、真の消費者が望む商品ニーズを捉え、そこから優れたヒット商品を開発する手法を構築することを目標としました。

1. 2000年に改良された商品企画七つ道具

 上記の流れですと、アンケート調査で評価する商品が既存商品、アイデア発想法が後半にあるため、画期的なアイデアが出ても十分に検討することができない。などの問題点が出てきました。そこで、発想法をインタビュー調査の後に活用することで、最初からアイデアを出して、創造的企画案を取り入れるプロセスに入れました。

 この流れでも、インタビュー調査が出発点であるため、ここでうまく行かないと、仮説の質が落ちる可能性がありました。そのため多量のインタビュー調査が必要となり、予算と時間の制約と司会者の問題があるため、インタビュー調査を多く行うことは難しいのです。

 この当時の商品企画に関する問題

 

図1. 2000年に改良された商品企画七つ道具

 

2. 2013年に改良した商品企画七つ道具

 インタビュー調査の前に仮説発掘を実施して、大量の仮説発掘を目的にしました。

①仮説発掘法

 1)フォト日記調査
 2)仮説発掘アンケート

②アイデア発想法

 1)焦点発想法
 2)アナロジー発想法
 3)ブレインライティング

③インタビュー調査

④アンケート調査

⑤ポジショニング分析

⑥コンジョイント分析

⑦品質表

 

図2. 2013年に改良された商品企画七つ道具

 

3. 新しく導入された手法の概要

 追加された手法は仮説を短時間に大量に出すための顧客接点の方法が探索、研究されました。

・仮説発掘法

 インタビュー調査の前に事前調査として実施するとことが多かった観察調査を導入しやすくしたフォト日記調査と、アイデア自体を調査対象者から自ら書いてもらうように誘導するアンケートになります。

・フォト日記調査

 写真を取り入れた日記で調査対象者の生活実態や使用実態を書いてもらいます。対象者の意見が直接収集され、仮説出しの有効な...

手段として採用しました。

・仮説発掘アンケート

 多数の調査対象者に一定のフォームでアイデアを出してもらうアンケート調査。2人の会話体の自由記入式アンケートを用いて、商品の現状、不満、要望から新たなアイデア創出、商品開発を行います。

・アイデア発想法:ブレインライティング

 発想法で有名なブレインストーミングは対話しながらアイデア出しをしますが、ブレインライティングは対話ではなく、紙に書くアイデア発想法です。6人が3個の発想の種を5分ごとに展開していく仕組みがあり、「635法」ともいわれています。

 

 以上で、今回の商品企画七つ道具の手法の経緯、変遷の解説を終了します。

【関連解説:商品企画七つ道具】

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