設備投資に活用したい事業再構築補助金(その2)

 前回の設備投資に活用したい事業再構築補助金 (その1)に続いて解説します。

1. 事業計画書の作成

 事業再構築補助金の申請に当たっては、事業計画書を認定経営革新等支援機関とともに作成する必要があります。公募要領において、以下のような内容を記載することが求められています。

<補助事業の具体的取組内容>

① 現在の事業の状況、強み・弱み、機会・脅威、事業環境、事業再構築の必要性、事業再構築の具体的内容(提供する製品・サービス、導入する設備、工事等)、今回の補助事業で実施する新分野展開や業態転換、事業・業種転換等の取組、事業再編又はこれらの取組につい て具体的に記載してください。事業実施期間内に投資する建物の建設・改修等の予定、機械装置等の型番、取得時期や技術の導入や専門家の助言、研修等の時期についても、可能な限り詳細なスケジュールを記載してください。

② 応募申請する枠(通常枠、卒業枠、グローバルV字回復枠、緊急事態宣言特別枠)と事業再構築の種類(「事業再編型」、「業態転換型」、「新分野展開型」、「事業転換型」、 「業種転換型」)に応じて、「事業再構築指針」に沿った事業計画を作成してください。

③ 補助事業を行うことによって、どのように他者、既存事業と差別化し競争力強化が実現するかについて、その方法や仕組み、実施体制など、具体的に記載してください。

④ 既存事業の縮小又は廃止、省人化により、従業員の解雇を伴う場合には、再就職支援の計画等の従業員への適切な配慮の取組について具体的に記載してください。

<将来の展望:事業化に向けて想定している市場及び期待される効果>

① 本事業の成果が寄与すると想定している具体的なユーザー、マーケット及び市場規模等に ついて、その成果の価格的・性能的な優位性・収益性や課題やリスクとその解決方法などを記載してください。

② 本事業の成果の事業化見込みについて、目標となる時期・売上規模・量産化時の製品等の価格等について簡潔に記載してください。

③ 必要に応じて図表や写真等を用い、具体的に記載してください。

<本事業で取得する主な資産>

① 本事業により取得する主な資産(単価50万円以上の建物、機械装置・システム等)の名称、 分類、取得予定価格等を記載してください。

<収益計画>

① 本事業の実施体制、スケジュール、資金調達計画等について具体的に記載してください。

② 収益計画(表)における「付加価値額」の算出については、算出根拠を記載してください。

 公募要領において、審査項目が細かく明記されています。つまり「このような視点で事業計画書を採点します」ということが、予め審査項目で示されているわけです。それにも関わらず、日頃、補助金申請の事業計画書をチェックしていると、審査項目を充分に把握せずに作成している計画書を、数多く目にします。

 

2. 事業計画書作成上の注意点

 補助金審査は、各応募者の事業計画書の点数で相対評価されます。審査項目の点数の積上げ...

が合計点数となります。よって、審査項目の記載が1つでも漏れていると不利になります。審査項目の見出し化は非常に重要となりますので、以下の点に注意して下さい。

① 審査項目を漏れなく書くために、書き出す前に審査項目を見出し化する。その際、見出しの規則性に注意する(大見出し・中見出し・小見出しを揃える等)。図3参照。
② 審査項目にないことは点数にならないので記述は最小限にする(会社の沿革など)。
③ 読みやすく書く(図や写真を使う、文と文の間隔を開ける、 ひとつの文は長くても3行以内に)。

 

図3.いい見出し例(左)と悪い見出し例(右)

 

次回に続きます。

 

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