【実践編 第2章目次】
第2章 流れ生産で工場に流れをつくる
1. 流れをつくる生産のライン化の手順
2. 多工程持ちで少人化を実現させる
3. 少人化で生産ラインを効率よく、柔軟にする
4. かんばんのしくみで引っ張り生産に転換する←今回の記事
第2章 流れ生産で工場に流れをつくる
実践編 第2章から、JIT改革の具体的な実践手法についての解説に入ります。「流れ生産」は、職場や現場に流れをつくる改革です。「流れ生産」「少人化」「かんばん」の3つの手法を取り上げます。
4. かんばんのしくみで引っ張り生産に転換する
かんばんは、モノの管理と作業指示のためのしくみです。わかりやすい「目で見る管理」にも有効です。
◆かんばん運用時の6つのルール
かんばんは、次の6つのルールを守って使われます。
【ルール1】後工程が引き取る
前工程が生産したモノを後工程へ押し込むのではなく、後工程が必要になったモノを前工程に引き取りに行くかたちで運用します。
【ルール2】前工程は引き取り分だけを生産する
前工程は、後工程と関係なくモノをつくるのではなく、後工程が引き取った分だけ生産します。つまり、前工程は必要なモノを、必要なときに、必要な分だけ生産することになります。
【ルール3】100%良品をつくる
かんばん方式では、工程のなかで品質をつくり込み、絶対に後工程に不良を送ってはなりません。後工程を混乱させるだけでなく、自工程も混乱し、この連鎖により、最終的には、工場全体が混乱することになるからです。
【ルール4】生産の平準化
生産のバラツキをなくし、安定した生産を維持するために、平準化します。この平準化は、ダンゴで生産計画を作成し、これを各工程にバラして負荷を平準化する、いわゆるCRP(Capacity Requirements Planning) と呼ばれる能力所要量計画ではなく、あくまでも、生産の基本となる生産計画における、徹底した品種と数量の平均化です。
【ルール5】現物表示
かんばんは必ず現物と一緒に動き、 「...
【ルール6】改革ニーズ発見の道具
かんばんの枚数を減らすと、欠品やラインストップといった問題が表面化し、その真因を究明して改革・改善につなげることができます。
次回に続きます。
【出典】古谷誠 著 『会社を強くする ジャスト・イン・タイム生産の実行手順』中経出版発行(筆者のご承諾により連載)