【この連載の前回:整理・清掃 ・ 整頓で、集中力を高めようへのリンク】
今回は、5S活動と「新5S思考術」の違い について解説します。この違いがわかると、5S活動がなかなか広まらない理由がご理解いただけるでしょう。
1.感情と行動は繋がっている
『行動』それは、体の動きであったり、思考であったり、心の動きでもあります。そして、「改善」も、その『行動』の産物です。もしあなたの職場で、良い改善成果を得たいのなら、職場内の『行動』を変革しなければならないのです。そして、わたしたちの『行動』は、外部からの影響を受けることで、変革できることが解っています。
例えば、整理・清掃・整頓などの3S活動を行った場合、その結果プラスの感情を抱くと、整理・清掃・整頓の行動が強化され、繰り返しその行動を行うようになります。逆に、整理・清掃・整頓活動の結果、マイナスの感情を抱くと、その行動が萎縮するかのように弱くなります。行動が弱くなることを「弱化」といいます。
- プラスの感情を抱くと行動が強化される。
- マイナスの感情を抱くと行動が弱化される。
2.リーダーの取るべき方法は?
リーダーであるあなたは、職場の感情がプラスになるマネジメントを展開すれば、改善の成果を出し続けることができるのです。どのようにすれば『行動』の強化を促すことができるのでしょう?それは、良好なフィードバックです。
良好なフィードバックとは、良い結果を出しそうな『行動』をとった場合、その相手の行動を褒める言葉などをかけることをいいます。私たちの脳は、良好なフィードバックを受けることで、行動を繰り返し行うようになり、習慣化(行動の強化)を得るのです。
逆に、『行動』に対してマイナスの感情を与えるようなフィードバックを与えると、『行動』の弱化が始まります。これが始まると「改善」に興味を示さなくなってしまうのです。
- 「改善」の結果を褒めるのではなく『行動』を褒めることが大切!
- 「改善」成果の出そうな『行動』をしたときに、褒める!
3.人の行動はフィードバックで決まる。
- 良いフィードバックは、行動を強化する。
- 悪いフィードバックは、行動を弱化する。 ...
5S活動と「新5S思考術」の違い について、お話ししました。私たちが推奨する『新5S思考術』は、コーチング心理学や行動分析学を応用しながら進める5S活動です。「その気にさせるきっかけを科学する」と、さらに活動が活性化します。5S活動とちがう『新5S思考術』に興味をお持ちいただけると幸いです。
次回に続きます。