「内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その36)」で、日々のオンザジョブトレーニングでの「会話を通したトレーニング」の概要を解説しました。今回は、会話を通したトレーニングについて深掘りして解説します。
1.「会話を通したトレーニング」について(その1)
例えば、仕事中に上司から以下のようなことを聞かれたとします。
◎『 現在君が担当している業務の進捗状況を説明してくれ 』
この質問に対して、例えば、以下のように回答したとします。
〇〇県〇〇市〇〇地区での液状化対策工検討業務を行っております。〇〇地区での液状化発生の可能性の解析まで終わりました。液状化が発生する可能性があるとの解析結果でした。そのため、現在、液状化対策工(案)の抽出をしています。残りの作業は、液状化対策工(案)の選定、液状化対策工(案)の積算と図面作成および業務報告書の作成です。これらの作業を今月末の31日(金)までに終わらせる予定です。
具体的には、下記の「内容が明確に伝わる技術文書の書き方の3原則」および「6つのルールと18の書き方」の考え方を使って回答しています。
①「内容が明確に伝わる技術文書の書き方の第1原則(書き手と読み手の違いを認識する)」の考え方
*話し手と聞き手の違いを認識する(上司は業務の進捗を知らない)。
②「書き方1:要点を冒頭に書く」の考え方
*業務の進捗状況の要点(上司がまず知りたいこと:アンダーラインの箇所)を冒頭に話す。進捗状況に関する説明をその後で話す。
③「書き方13:具体的な文を書く」の考え方
*作業終了予定を具体的に話す(今月末の31日(金)まで)。
④「書き方16:短い文を書く」の考え方
*短く話す。
このように日常業務の会話の中で「内容が明確に伝わる技術文書の書き方の3原則」および「6つのルールと18の書き方」の考え方を使うことで、「内容が明確に伝わる技術文書の書き方の3原則」および「6つのルールと18の書き方」が習得できます。また、これらがレベルアップします。
技術文書を書くことも会話をすることもどちらもコミュニケーションです。したがって、日々のオンザジョブトレーニングでの「会話を通したトレーニング」が成...
次回に続きます。
【参考文献】
森谷仁著、「マンガでわかる技術文書の書き方」、オーム社、令和4年3月25日
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