レアアースとは、レアメタルの中の17種類の元素(希土類元素)です。現代の基幹産業を支える重要な資源であることから「産業のビタミン」とも言われ、安定した供給の確保が課題となっています。今回は、レアアースとは何か?種類、用途、産出国の割合や日本の取組みなどについて紹介します。
1. レアアースとは何か?
レアアースとは、地球上の存在量が少ない、または抽出が難しいレアメタル(希少金属)31鉱種の中の一鉱種で、17種類の元素(希土類元素)の総称です。
電気自動車やハイブリッド車のモーター用の強力な永久磁石の原料となるネオジムやジスプロシウム、蛍光体に必要なイットリウムなど、レアアースは現代の基幹産業を支える重要な資源です。日本における需要が世界需要のおよそ半分を占めるといわれる一方、産出量はトップの中国をはじめ偏在しており、安定した供給の確保が課題となっています。
2. レアメタルとの違いは?
レアメタルとは、資源エネルギー庁の定義によれば『「地球上の存在量が稀であるか、技術的・経済的な理由で抽出困難な金属」のうち、工業需要が現に存在する(今後見込まれる)ため、安定供給の確保が政策的に重要であるもの』31鉱種を指します。レアメタルには大きく分けて、合金材料として構造材に使われるもの、半導体や電池、永久磁石などの電子・磁性材料として使われるもの、光触媒や光学ガラス...