Raspberry Pi 4は強化されたスペックを備えるシングルボードコンピュータの最新モデルで、1.5 GHzクアッドコアプロセッサ、最大4GB RAM、4Kビデオ出力可能なデュアルHDMI、USB 3.0ポートを搭載。その進化は、2012年の初代モデルから始まり、各モデルでプロセッサ速度、メモリ、インターフェイスが大幅に向上しています。
この記事では、シングルボードコンピューターとは何か、Raspberry Pi 4のメリット・デメリットについて解説します。
シングルボードコンピューターとは?
シングルボードコンピューター(Single-board computer、SBC)とは、手のひらサイズ程度の1枚の基板上に、コンピュータとして必要な、ほぼすべての機能や要素を実装したもの、つまり、CPUやメインメモリ、チップセット、入出力端子などを実装された小型コンピュータで、代表的なものとして、Raspberry Piが挙げられます。
Raspberry Pi
英国のラズベリーパイ財団によって開発されたシングルボードコンピュータ。教育や趣味、IoTなどで広く利用されています。
Raspberry Pi 4のスペックは?
Raspberry Pi 4は、Raspberry Piシリーズの最新モデルで、強化されたスペックを誇ります。このモデルは、1.5 GHzのクアッドコアARM Cortex-A72プロセッサを搭載しており、前モデルと比べて大幅に性能が向上しています。RAMは1GB、2GB、4GBの3つのオプションがあり、ユーザーのニーズに応じて選択できます。また、フルサイズのHDMI出力を2つ備えており、4Kビデオの出力が可能です。さらに、USB 3.0ポートを2つ装備しており、高速データ転送が可能です。これらのスペックにより、Raspberry Pi 4は高性能ながらも手頃な価格を維持しています。
Raspberry Pi の進化の歴史
Raspberry Piは2012年に最初のモデルがリリースされて以来、その性能と機能は進化し続けています。初期のモデルは700 MHzの単一コアプロセッサと256MBのRAMを搭載していましたが、Raspberry Pi 4では、プロセッサの速度とコア数、メモリの量が大幅に増加しています。また、USBポート、HDMI出力、GPIOピンなどのインターフェイスも進化し、より多様な用途に対応できるようになりました。
Raspberry Pi の種類の違い
Raspberry Piシリーズには、基本モデルの他にも多様なバリエーションが存在します。例えば、Raspberry Pi Zeroはより小型で低コストながら、基本的な機能を備えています。Raspberry Pi 3は、1.2 GHzのクアッドコアプロセッサと1GBのRAMを搭載し、Wi-FiとBluetoothを内蔵しています。Raspberry Pi 4はこれらのモデルよりもさらに強力な性能を持ち、特に高性能を必要とする用途に適しています。
種類表
種類 | 発売日 | 発売価格 | 搭載CPU | 搭載RAM | 搭載ストレージ | 搭載コネクタ |
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Raspberry Pi 4 Model B | 2019年6月 | 9,980円(4GB) | Broadcom BCM2711 | 4GB LPDDR4-3200 | microSD | USB 3.0×2、HDMI、Ethernet、USB 2.0×2、GPIO、DSI、CSI、SPI、I2C |
Raspberry Pi 400 | 2021年10月 | 12,000円 | Broadcom BCM2711 | 4GB LPDDR4-3200 | microSD | USB 3.0×2、HDMI、Ethernet、USB 2.0×2、GPIO、DSI、CSI、SPI、I2C |
Raspberry Pi Zero W | 2017年1月 | 1,320円 | Broadcom BCM2835 | 512MB LPDDR2 | microSD | USB 2.0×1、HDMI、WiFi、Bluetooth |
Raspberry Pi Zero WH | 2020年1月 | 1,620円 | Broadcom BCM2835 | 512MB LPDDR2 | microSD | USB 2.0×1、HDMI、WiFi、Bluetooth、GPIO |
Raspberry Pi Pico | 2021年1月 | 1,180円 | RP2040 | 2MBフラッシュ | なし | USB-C、GPIO、SPI、I2C |
Raspberry Pi Compute Module 4 | 2019年3月 | 12,000円(8GB) | Broadcom BCM2711 | 8GB LPDDR4-3200 | microSD | USB 3.0×2、HDMI、Ethernet、USB 2.0×2、GPIO、DSI、CSI、SPI、I2C |
Raspberry Pi 4のメリットとは?
Raspberry Pi 4は、多くのメリットを提供する強力なマイクロコンピュータです。主な利点は以下の通りです。
コンパクトで軽量
Raspberry Pi 4は、非常にコンパクトで軽量な設計が特徴です。小型ながらも多機能を備えており、限られたスペースでも使用できます。このため、教育、ホビー、産業用途など、幅広いシーンで活躍します。
CPU/メモリともにハイスペック
1.5 GHzのクアッドコアARM Cortex-A72プロセッサと、最大4GBのRAMを搭載しているため、高速な処理能力を持っています。これにより、複雑な計算処理や高度なプログラミングタスクもスムーズに行えます。
メモリは3種類から選択可能
Raspberry Pi 4は、1GB、2GB、4GBの3種類のRAMオプションがあり、使用目的や予算に応じて最適なモデルを選択できます。これにより、より多くのユーザーが自分のニーズに合わせた構成を選べます。
USB3.0対応
USB 3.0ポートを備えているため、高速データ転送が可能です。これは、大容量データの処理や外部デバイスとの接続において大きな利点となります。
Raspberry Pi 4に必要な周辺機器
Raspberry Pi 4を最大限に活用するためには、いくつかの重要な周辺機器が必要です。以下に主なものを挙げます。
電源アダプター: Raspberry Pi 4は、USB-Cタイプの電源アダプターを必要とします。推奨される電源は5V/3Aです。不適切な電源アダプターを使用すると、性能が低下したり、デバイスが不安定になる可能性があります。
マイクロSDカード: オペレーティングシステム(OS)をインストールするためのマイクロSDカードが必要です。最低8GBの容量が推奨されますが、より多くのアプリケーションやデータを格納する場合は、16GB以上の容量が望ましいです。
ケース: Raspberry Pi 4の保護のために、専用のケースが推奨されます。ケースは、デバイスを物理的な損傷から保護するだけでなく、発熱を軽減する役割も果たします。
キーボードとマウス: インターフェース操作のために、USBまたはBluetooth接続のキーボードとマウスが必要です。
ディスプレイ: HDMIポートを備えたモニターまたはテレビが必要です。Raspberry Pi 4は、HDMIケーブルを通じてディスプレイに接続されます。
これらの基本的な周辺機器に加えて、プロジェクトの性質に応じて追加の機器が必要になることがあります。たとえば、特定のIoTプロジェクトのためにセンサーやアクチュエーターが必要な場合もあります。
Raspberry Pi 4の初期設定手順
Raspberry Pi 4の初期設定はシンプルで直感的です。以下は基本的な設定手順です。
オペレーティングシステムのインストール
Raspberry Pi 4を使用するためには、まずオペレーティングシステム(OS)をマイクロSDカードにインストールする必要があります。Raspberry Pi公式ウェブサイトから「Raspberry Pi Imager」をダウンロードし、好みのOS(例えばRaspbian)をマイクロSDカードに書き込みます。
ハードウェアの接続
書き込まれたマイクロSDカードをRaspberry Piに挿入し、キーボード、マウス、ディスプレイを接続します。最後に、電源アダプターを接続してRaspberry Piを起動します。
設定の構成
Raspberry Piが起動したら、画面の指示に従って基本的な設定を行います。これには、言語とタイムゾーンの選択、パスワードの設定、Wi-Fiネットワークへの接続などが含まれます。
システムのアップデート
初期設定後、システムを最新の状態に保つためにソフトウェアアップデートを行います。これは、ターミナルを開いて特定のコマンドを実行することで行えます。
これらのステップを完了すると、Raspberry Pi 4は使用準備が整います。初期設定後は、さまざまなプログラミング言語、ツール、アプリケーションを利用してプロジェクトを開始できます。