ワクチン接種の不手際などで日本のIT化の遅れが、国民全員の知るところとなりました。コロナのお陰?で日本のシステム化・IT化の遅れが明らかになりました。しかしその一方で、安価なITツールが昔とは比較にならないくらい出てきており、このようなツールを積極的に活用していくことで生産性を飛躍的に向上させル事ができる環境が整ってきています。その中でも、生産性向上に是非お勧めしたい最強のツールがBIツールです。
BIとは、ビジネス・インテリジェンスの略で、データを色々な視点から分析することで、改善の糸口を探るITシステムのことです。生産性を改善していくための王道は、売上、原価と滞留時間を把握して、案件間の生産性の差を比較しその理由を分析し問題点を発見、改善していく活動を続けることです。
しかし、大企業を含めほとんどの企業で生産性を正しく評価し改善点を定量的に分析することができていません。小難しいITの話をしても、退屈なのでどんな事ができるか簡単に説明します。システム開発を行っている中小企業の例でお話ししましょう。
システム開発会社は、情報システムの委託開発を行っています。限られた要員でいかに効率よくシステムを作り上げていくかが、成長のカギです。システム開発会社では、プロジェクト(案件)ごとに次の様なデータを案件属性として記録しています。
- 業種:開発するシステムがどの業種であるか、例えば、製造業、金融業、流通業などです。普通、上記の括りでは大きすぎ、製造業でも自動車(完成車)、自動車部品など、金融業なら銀行、保険、証券などで作るシステムは全く違います。
- 業務:開発対象の業務です。営業、マーケティング、設計開発、製造、アフターサービスなどです。
- 規模:システム開発の規模です。プログラ...
案件情報に加えさらに、以下の様に要員の工数データをフェーズ別、月別に入力します。購買や外注の原価が発生するときは、合わせて把握します。
上記の表で、案件全体の開発規模はプログラムの総ステップ数です。総ステップ数は引き合いの時に見積られています。さらに各要員の属性を把握します。
以上が生産性を分析するための基本的な情報です。次回に続きます。
【出典】コヒーレント・コンサルティング HPより、筆者のご承諾により編集して掲載。
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