‐情報収集で配慮すべき事項(第2回)‐ 製品・技術開発力強化策の事例(その10)

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 前回の事例その9に続いて解説します。info398ある目的で情報収集を開始する時には、始めに開発方針を明らかにして、目的意識を持って行動する必要があります。目的を明確にしないで収集した情報は広がりがあり過ぎて掘り下げた分析が出来ないため利用価値が低くなります。また、情報の発生源を明確にして分類整理が行える様にしなければ収集した情報を活用できないだけでなく、狙いにすべき客層と開発品との間に食い違いが生じて、販路設定で失敗する事も起こりかねません。情報収集で注意しなければならない事項を7点、次に整理します。
 
        (1)対象を決めて集中的に情報収集
      (2)目標にしている分野に関する市場動向の研究
      (3)製品を愛用して説得力を持つ
      (4)情報発信のキ-マンを把握
      (5)情報量が多く出る相手をマ-ク
      (6)情報収集に適した相手先が乏しいときの対策
      (7)異常現象や小さな変化を見逃さない
 
 (1)(2)は、情報収集で配慮すべき事項(第1回)で述べましたので、第2回では(3)(4)を解説します。
 

(3)製品を愛用して説得力を持つ

 自社製品を愛用し、更に、これから参入する分野の類似製品を試用して、使用上の長所と欠点を知り尽くし、何が問題で、何が良いのか、関係商品を知り尽くしていないと、消費者が抱いている真の問題点を探り出すことは出来ません。
 
 企業によっては、自社製品の愛用者がいないのに、販売が旨く行かないと嘆いている例を見かけます。自分が使用していない製品を販売するにあたり、迫力のある説得が出来る道理がありません。自企業で使用できないような製品の場合には、納入先の意見収集に工夫が必要です。実感のこもった使用の体験を話すことは非常に大切で、使用の目的に照らして価値判断をすることです。目的を意識せずに長所欠点を比較しても意味がありません。判断の基準が異なったままで評価する誤りを冒す事になるからです。目的は何か、用途は何か、これらの前提条件を明確にして、製品を比較判断するように心掛けます。
 
 製品の比較判断を行っている間に、当初に設定した用途、使用する客層等の目的や狙い所を忘れて目先の問題に捕われた判断が行われる誤りを冒す事にも注意が必要です。そのような意味の乏しい判断に陥らないように、常に目的を意識しながら価値判断するように製品開発や販路開拓に関する評価の書式を決めておく必要があります。
 

(4)情報発信のキ-マンを把握

 相手方から得られる情報の提供者は誰か、その担当者は「開発の責任者か、発注の責任者か、使用上の責任者か、全く関係のない人か」得られた情報の発生源によりその情報の価値が異なってきます。
 
 情報を収集する際、開発にこれから着手する場合、販路開拓の場合、製品の問題点を調べる場合など、それぞれ情報収集する必要性に応じて、情報発信者の立場を確認する必要があります。情報を必要としている段階により誰がキ-マンになるのか、それが異なってくるので、相手の立場と情報の質を関連づけて収集しなければなりません。
 
 また、得られた情報がその情報提供...
 前回の事例その9に続いて解説します。info398ある目的で情報収集を開始する時には、始めに開発方針を明らかにして、目的意識を持って行動する必要があります。目的を明確にしないで収集した情報は広がりがあり過ぎて掘り下げた分析が出来ないため利用価値が低くなります。また、情報の発生源を明確にして分類整理が行える様にしなければ収集した情報を活用できないだけでなく、狙いにすべき客層と開発品との間に食い違いが生じて、販路設定で失敗する事も起こりかねません。情報収集で注意しなければならない事項を7点、次に整理します。
 
        (1)対象を決めて集中的に情報収集
      (2)目標にしている分野に関する市場動向の研究
      (3)製品を愛用して説得力を持つ
      (4)情報発信のキ-マンを把握
      (5)情報量が多く出る相手をマ-ク
      (6)情報収集に適した相手先が乏しいときの対策
      (7)異常現象や小さな変化を見逃さない
 
 (1)(2)は、情報収集で配慮すべき事項(第1回)で述べましたので、第2回では(3)(4)を解説します。
 

(3)製品を愛用して説得力を持つ

 自社製品を愛用し、更に、これから参入する分野の類似製品を試用して、使用上の長所と欠点を知り尽くし、何が問題で、何が良いのか、関係商品を知り尽くしていないと、消費者が抱いている真の問題点を探り出すことは出来ません。
 
 企業によっては、自社製品の愛用者がいないのに、販売が旨く行かないと嘆いている例を見かけます。自分が使用していない製品を販売するにあたり、迫力のある説得が出来る道理がありません。自企業で使用できないような製品の場合には、納入先の意見収集に工夫が必要です。実感のこもった使用の体験を話すことは非常に大切で、使用の目的に照らして価値判断をすることです。目的を意識せずに長所欠点を比較しても意味がありません。判断の基準が異なったままで評価する誤りを冒す事になるからです。目的は何か、用途は何か、これらの前提条件を明確にして、製品を比較判断するように心掛けます。
 
 製品の比較判断を行っている間に、当初に設定した用途、使用する客層等の目的や狙い所を忘れて目先の問題に捕われた判断が行われる誤りを冒す事にも注意が必要です。そのような意味の乏しい判断に陥らないように、常に目的を意識しながら価値判断するように製品開発や販路開拓に関する評価の書式を決めておく必要があります。
 

(4)情報発信のキ-マンを把握

 相手方から得られる情報の提供者は誰か、その担当者は「開発の責任者か、発注の責任者か、使用上の責任者か、全く関係のない人か」得られた情報の発生源によりその情報の価値が異なってきます。
 
 情報を収集する際、開発にこれから着手する場合、販路開拓の場合、製品の問題点を調べる場合など、それぞれ情報収集する必要性に応じて、情報発信者の立場を確認する必要があります。情報を必要としている段階により誰がキ-マンになるのか、それが異なってくるので、相手の立場と情報の質を関連づけて収集しなければなりません。
 
 また、得られた情報がその情報提供者、特有の問題なのか、かなり普遍性があることなのか、その確認も大切なことです。特別な環境にある需要家の情報であると、それに基づいて製品開発に着手し、開発に成功しても、市場性が非常に低くなります。反対に大きな市場になる可能性があると、大企業との競争になります。そのようなことが速い段階で判る様にするために、情報の発生源を明確にして記録する様な配慮が必要です。このようにして収集された情報の整理を行う段階になって分類整理で迷うことがないように、簡単に分類整理が出来るような記録方法を事前に決めておくことです。例えば、業種、使途、地域、発信者がキ-マンか否か、使用環境等を明らかにした上で情報の内容を記録します。
 
上記の(5)~(7)は、第3回以降に連続して記述します。
 

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この記事の著者

新庄 秀光

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