JIS G4401 炭素工具鋼鋼材:金属材料基礎講座(その106)

 

 

炭素工具鋼鋼材はSK〇〇と呼びます。SとKはそれぞれSteel、Koguです。SKの後には数字が入ります。

 

例えばSK85があります。この85は炭素量0.85%を100倍にした値を表しています。炭素工具鋼鋼材はキルド鋼から製造されます。炭素工具鋼鋼材の化学成分を表1に示します。

 

機械構造用炭素鋼鋼材が炭素量0.58%までであったのに対して、炭素工具鋼鋼材は炭素量0.60%から1.40%の高い炭素量の鋼となります。

 

炭素量が高いので焼入れ、焼戻しによって硬度を高めることができます。焼入れした時の硬さは炭素量が約0.60%以上になるとあまり変わらなくなりますが、耐摩耗性や耐衝撃性が向上します。しかし、合金元素がないので高温になると硬さが低下します。また、焼入れ性も合金工具鋼に比べると焼が入りにくいです。刻印、刃物、丸のこ、ゲージなどに使用されます。

 

 

次回に続きます。

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