今回は、働き方改革の推進に必要な「行動」について、おはなしします。
1. 働き方改革、改革の推進に必要な行動とは
働き方改革を制度化だけで終わらせない取り組み方ですが、どんなに制度を確立しても仕事のイライラ感がなくならなければ、真の働き方の変革は訪れません。
私たちの脳は、何かの行動を起こす前に、ある程度の予測を立ててから行動に移ります。プリンターで印刷物をプリントアウトするときにも、印刷のコマンドを実行して、印刷物を手にし、席に戻るまでの時間を予測しています。
例えば「30秒くらいかかるかな?」とか「途中で話しかけられそうだから、5分はかかるかな?」など、見積時間をあらかじめ意識します。
ところが、途中に邪魔なモノや人、プロセスなどが入り込み、見積時間よりも多く時間がかかってしまうと「イライラ」という感情を抱きはじめます。この時、コルチゾールやアドレナリンが脳内から分泌され、心拍数や血圧が上昇してしまい、まさにストレス増大する傾向が強くなります。そして、これらは感情処理や制御にも悪影響を及ぼしてしまいます。
もし、あなたの職場が、設定した見積時間を常に超えるような環境だとしたら、メンタルヘルスにも悪影響を及ぼし、マイナス感情が蔓延していくことで人間関係までも破壊し、組織と人を破壊してしまうのです。
2. 働き方改革、日常業務では気付かないイライラ感とは
このイライラ感は、強く感じることもありますが、日常業務では気付かないようなイライラ感もあります。例えば「オフィスが狭いから仕方ない」とか「設備の構造上、仕方がない」という前提条件を認知しているようなときには「イライラが起きても仕方ないし、どうすることも出来ない」と、イライラ感に慣れが生じてしまうのです。
実際に脳はイライラを感じていても、慣れからイライラに気付かない状態は、ストレス原因に気付くことが出来ず、ストレスを蓄積するばかりです。これも、立派なストレスの原因(ストレッサー)です。無意識に小さなイライラ感を重ねることになるので、私は「ステルス・ストレッサー」と呼んでいます。
冷静で穏やかな気持ちで仕事を進めるには、イライラの原因となる「ムダ」に気付き、改善を進める必要があるのです。
フレックスタイムやテレワーク制度、さらには、労働時間の短縮などで、キャリア支援制度を確立しても、その職場のイライラ原因を排除/廃除しなければ、真の働き方改革は訪れません...