ハフ変換法、CI(信頼性指数):金属材料基礎講座(その128)

 

【目次】

    1. ハフ変換法

    EBSDにて取り込んだパターンを認識するための方法としてハフ変換法が良く用いられます。ハフ変換法とは画像変換手法の一種で、画像の中の直線や円などのオブジェを検出する方法です。ハフ変換法では(1)式によって行われます。

     

    ρ=Xcosθ + Ysinθ  (1)

     

    XY座標上に任意の点A(X,Y)があるとき、このAは原点からの距離とX軸との角度で表すことが出来ます。しかし、点Aを通る直線は無数に存在します。それら直線の原点からの垂線ρとX軸との角度θを座標に変換すると曲線としてプロットできます。その様子を下図に示します。

    図.ハフ変換法の例 1点

     

    2. CI(信頼性指数)

    EBSD測定では結晶方位データを設定します。そして検出したバンド情報と最も近い結晶方位のバンドを試料の結晶方位とします。EBSDでは、仮に複数の結晶方位に近くても、平均値ではなく必ず一つの結晶方位が選択されます。また、測定時に複数のパターンが重なったことで、解析不可能となり解が得られないと「データなし」となります。

     

    このようにして結晶方位を比較しますが、その判定は信頼性指数(Confidence Index:CI)として評価されます。EBSDの測定では解析ソフトが選択した唯一の結晶方位の信頼性をCIとして表します。すなわち「この位置での結晶方位AのCIは〇、結晶方位BのCIは△」とはならずに「この位置での結晶方位AのCIは〇、結晶方位Bはなし」となります。

     

    CIが高いと、その位置の結晶方位は信頼度が高く、CIが低いと、その位置の結晶方位は信用度が低くなります。試料調整が不十分でキズやひずみが残っていると、パターンが不鮮明になりCIも低くなりやすいです。

     

    次回に続きます。

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