合金の量的割合、てこの原理と組成:金属材料基礎講座(その161) わかりやすく解説 

 

◆ てこの原理と組成

状態図における相の量的割合と組成(成分)について見ていきます。例として下図に全率固溶型の状態図を示します。組成c(A-55%B)合金が100gとして、温度Tにおける液相Lと固相αの量的割合と組成を具体的に計算します。なお目印として、液相Lを赤字、固相αを青字で表します。まず状態図より液相L、固相α、合金cの組成を下表に示します。

 

図.てこの原理と組成の計算例

 

次に液相Lと固相αの量的割合をてこの原理から計算します。基準となる横線はycx(=65-30)、液相Lはcx(=55-30)、固相αはyc(=65-55)です。これを計算すると式(1)、(2)となります。式(1)、(2)は割合なので、これに重量100gをかけると式(3)となります。合金100gのうち液相Lが71g、固相αが29gです。

 

液相Lと固相αの組成は表1のため、液相Lと固相αそれぞれの重量にAの組成、Bの組成をかけます。その結果、液相LのA重量およびB重量、固相αのA重量およびB重量が求められます。この計算を式(4)~(7)に示します。

 

液相Lと固相αのA重量、B重量がそれぞれ求められたので、それぞれのA重量、B重量を合計します。これがc組成(A-55%B)と等しいことが検算になります。検算の結果を式(8)、(9)に示します。このように状態図から各相の量的割合と組成を計算します。

 

次回に続きます。

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