転職の恒常化を考える、学校教育の「探究学習」とそれを知らない先輩・上司

【目次】

    今回は、厚生労働省が発表した「令和5年(2023年)人口動態統計速報」を参考に「転職の恒常化を考える、学校教育の探究学習とそれを知らない先輩・上司」について、解説します。

     

    令和4年(2022年)が出生数(赤ちゃんの数)ついに80万人きりました、と言っていましたが、令和5年はさらに減少して、75万8631人です。(令和4年=2022年 7979万9728人から4万1097人の減少)、死亡数が159万503人でしたので、自然減が83万1872人です。

     

    結婚をしない、子どもを持たない、を希望する率も増えていますから、生産人口の減少は年々進みます。非常に厳しいですね。2月28日に韓国統計庁が発表した2023年の出生率「0.78」という数値も衝撃的でした。ちなみに日本は2022年の出生率は「1.26」。 経済産業省が令和4年に公開した「未来人材ビジョン」だと、どうなるニッポン!と思えてしまう数値の数々が載っています。

     

    1. 高度人材に選ばれない国

    日本は「高度人材に選ばれない国」となっています。高度人材を誘致・維持する魅力度ランキングは世界25位です。そして、2023年GDP(国内総生産)がドイツに抜かれ世界第4位でしたが、予想では、近い将来インドに抜かれます。 

     

    このような状況で、われわれが大切に育てたいのが、やはり「次世代リーダー」=「未来のニューリーダー」です。まずは、入社した若年人材は確実に育てていくことが大切です。そのためには、年代の近い先輩や上司の言動が大きく影響しますので管理職候補またはリーダー社員の現状把握をし、この層をしっかりと教育を行うことが先決です。それは、次の3項目です。

     

    関連して、先日、学研ホールディングスが発表した「家庭学習の実態と親の教育観に関する調査2023」に興味深い結果が掲載されていました。それは「子どもの勉強・学習においてどんなことが重要か?」の設問に対しての回答が、

    サンプル数は予備調査が27,000名弱、本調査は3,000名強で、お母さんが約7割です。 もうひとつ設問で興味深かったのは「子どもに身につけさせたい力は?」の設問に関する回答は

     

    学校教育では、2022年から総合学習「探究の時間」が高校のカリキュラムで始まっています。日常生活や社会に目を向けて、自ら ①課題の設定 ②情報の収集 ③整理・分析 ④まとめ・表現 を行い、自らの考えや課題が新たに更新され、探究の過程が繰り返されるものです。まさに「OODAループ」に繋がる人材育成です。

     

    2.「OODAループ」とは 

    「OODAループ」とは、①観察 ②状況判断 ③意思決定 ④行動、この現状把握をして迅速な意思決定をし行動し、次に繋げる。この流れを繰り返す中で、判断力や実践力を身につけ、仕事に対する主体性を強化するわけです。学校教育で探究を学び、企業でOODAループに繋がれば、即戦力人材に近づいていくことが予想されます。 

     

    ここで、先の学研の調査結果を見ると、将来子どもが社会人として生活していくために必要なものを、親はきちんと認識しているということです。学校教育では、既に先程の「探究学習」は始まっています。そのような教育を受けた学生・生徒が社会人になるわけです。このようなことを知らない先輩・上司がいる企業に就職するわけです。

     

    先輩・上司を見て、自分の将...

    来をイメージして転職を決めてしまう。このような流れを阻止するためには、入社後も、主体的に考え行動できる社員教育を行っていくことが重要です。出生率の減少はなかなか止まりません。一説によると、政権が取り組んでいる異次元の少子化対策のタイムリミットは2030年です。すでに、出生数80万人割れが予想よりも10年以上早まっている状況をみると2030年は見直されるかもしれません。 

     

    転職の恒常化を考えると企業にとっても待ったなしです。まずは、出来ることからコツコツと行っていきましょう。

     

    次回に続きます。

    【出典】株式会社トライアングル・トラストHPより、筆者のご承諾により編集して掲載。

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