ステレオ投影とミラー指数:金属材料基礎講座(その188) わかりやすく解説

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    ◆ ステレオ投影とミラー指数

    ステレオ投影によるミラー指数の表示やお互いの関係性について見ていきます。はじめに基本となる立方晶の(100)面をステレオ投影の中心に置きます。なお、ミラー指数は面を表しますが、ステレオ投影では点で表します。ミラー指数はさまざまな面がありますが、比較的基本となる{100}{110}{111}について見ていきます。

     

    まずは{100}面について見ていきます。(100)面は90°向きを変えることで(010)や(001)などの面になります。これらは立方晶の表面となる正方形です。これらはステレオ投影では図1の位置になります。正面の(100)が原点となり、横方向はy軸の(010)と(0-10)です。縦方向はz軸の(001)と(00-1)です。なお、(-100)は(100)の裏面ですが、ステレオ投影では裏面は表示されません。縦方向も横方向も(100)面の90°の面はステレオ投影の一番外側の円周上にあります。

     

    図1. ステレオ投影によるミラー指数{100}

     

    次に{110}面について図2に示します。例えば(100)と(110)はz軸[001]方向に45°回転した面です。NS軸、WE軸、外周のNWS、NES上の45°の位置にさまざまな{110}面が配置されます。平面図で描いた場合、例えば(110)と(011)は等価な面だと分かっていても、角度関係を即座に判断するのは難しいです。しかしステレオ投影では一目で明確に角度関係が分かります。これがミラー指数をステレオ投影で表す時のメリットです。

     

    図2. ステレオ投影によるミラー指数{110}

     

    次に{111}です。(100)から直接(111)がどの程度の角度で傾いているかを求めるのは難しいですが、(110)からz軸方向に傾けた面(または(101)からy軸方向に傾けた面)ととらえることもできます。このようにして図3に{111}面について示します。{111}になると平面図やイメージだけでは対応するのが難しくなります。しかし、ステレオ投影の位置から立方晶のどの面になるかをイメージすることが楽になります。

     

    図3. ステレオ投影によるミラー指数{111}

     

    最後に{100}{110}{111}を全てプロットした図を図4に示します。赤丸が{100}、青丸が{110}緑丸が{1...

    11}です。お互いの位置関係がこれで明確になります。なお、図が入り混じるので立方晶の図は省略します。

     

    図4. ステレオ投影とミラー指数のまとめ

     

    次回に続きます。

     

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