【工程能力の理解 連載目次】
工程により作り出される”特性”の状態を評価するには平均値だけでは不十分で、ばらつきを考慮した分布の大きさを観る事が重要です。 この分布が、規格(スペック)幅の内側に十分収まるように管理を行う事が、品質保証に直結しコスト削減と顧客満足に繋がります。 特性値の規格に対する充足度を”工程能力”と言います。工程能力とは安定した工程における品質特性値の状態を、統計的に表す能力の事を言います。ここで言う安定した工程とは、簡単に言えば特性の異常なばらつきが無い状態と言えます。
管理図で言えば管理限界内で点が、特異な傾向無く上下している様なケースになります。 設備の故障や人為的ミス、その他平常時とは異なるイベントによる異常を含まない状態です。
チェーンレストランで同じ料理の味が、お店によって違っていたらどうでしょう? 行く度に塩加減が違っていたらどうでしょうか? 一見のお客さんなら問題ないかもしれませんが、味が一定していなければリピーター顧客を掴むのは難しいでしょう。
味覚に数値的なスペックを引くことは出来ませんが、調理手順や調味料の量や入れるタイミングを標準化すれば、人の味覚では違いが気にならない程度にばらつきを抑える事は可能です。 同じレシピでも作り手によって味は変わりますから、チェーン店レストランではレシピだけで無く、調理器具や調理法も併せて込み同じ味を再現している事でしょう。
ある料理を食べて美味しい、また食べたいと思えるのが平均点だとすると、再度来店した時に最初の食べた時の味と同じだと感じてもらえるのが、ばらつきと言う事になります。
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図1.LSLとUSL
図1の様にスペックに余裕で収まる様なら工程能力が高いと言え、顧客に時々味が違うな?と思われて