はんだ付け作業と局所排気

 プローブカードや電子部品の修理などを行うために、クリーンルームの隅の方で、はんだ付け作業をしている場面を時々見かけます。このはんだ付け作業では、白い煙のようなものが出ますが、これは、はんだから出るミストです。
 
 特に、クリーンルーム内ではんだ付け作業をするところは、清浄度(クリーン度)はあまり高くないですから、定期的なパーティクル測定でも、0.5μm程度の粒径で測定していると思います。非常に細かなミストですから、パーティクルカウンターで測定する場合も、0.5μmでは殆ど拾えません。
 
 つまり、問題として拾えない、気がつかないと言うことです。0.3、あるいは0.1μmの粒径で測定してみると、相当凄い量のミストをカウントします。例えば数万~数十万個のデーターになります。
 
 私が気になっているのは、はんだ作業中に、このミストを作業者が吸い込んでいないかと言うことです。はんだ作業が日常的に行われる、しかも同じ作業者が実施しているとすれば、吸い続けることになり、健康面で心配になります。
 
 そこでお勧めしたいのが、局所排気です。もちろんその対策をされているところはありますが、何もないところもありますので、ここであえて取り上げました。四角く囲った排気の設備がある箱の中で、はんだ付け作業をするということです。その箱の背部、または上部に排気を取り付けます。その排気口には、何か細いひらひらを付け、必ず排気されている事が、日常的に分かるようにしておくことです。
 
 重要なことは、局所排気を付けただけで安心しないことです。また、清浄度の低いクリーンルームでは清浄度や湿度を補...
う目的で、パッケージエアコンが設置してあるところも多いようです。パッケージエアコンの気流により、はんだのミストがどのように影響するかわかりませんので、作業者を保護するためにも、その作業の場所が最適かをも再検討する必要があります。
 
 

◆関連解説『環境マネジメント』

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