トレーサビリティ、追跡可能性とは
2015-12-25
例えば出荷した製品が ”どの工場“ で ”どの原料で“ で ”誰に“ よって ”どの機械“ を用いて “どの検査装置“ で検査し ”どの梱包容器“ で梱包され ”どの運送業者“ によって ”いつ出荷” され客先に届けられたかなどの記録を取ります。製品には管理番号や識別出来るコード等が与えられていてそれを照会すれば上記の記録が分かるようなシステムです。
トレーサビリティシステムが構築されていることで仮に製品に不具合が生じ、サービス提供プロセスを調査する必要が生じても、対象製品が通った道を文字通りトレース出来て速やかな推定原因や発生理由の特定に繋がります。
トレーサビリティのシステムを備えていない企業は、顧客苦情が起きた場合に状況把握や原因の推定が出来ず迅速な対応が取れないだけでなく、社内での問題にも対応するのに大きな労力を要してしまいサービスの改善も滞る事になります。
品質管理上で事件化した場合でも、苦情の発生から原因究明までが早く出来るのもトレーサビリティシステムの効果です。該当商品の管理ナンバーから製造日時と作業に関係した機械や作業者が特定出来ます。毎日大量の製品を作り出している工場で、トレーサビリティシステムが無ければ 事故・事件の早期、原因究明は出来ません。
ITの進歩でトレーサビリティも進歩し、詳細な記録が瞬時に照会できる様になりました。昔は紙の作業日報や保全記録を調べるのに膨大な時間がかかっていたのが、電子記録化する事で数日の作業だったのことがわずか数分から数時間で可能となります。
トレーサビリティーを自社の品質管理だけに用いず、顧客への利便性を図るサービスに展開している例も身近にあります。ネットショップでの注文履歴照会や宅配物の配送状況照会等があります。
抜け落ちやすいのが取引先や関連会社、子会社等の社外のトレーサビリティです。原料に問題がありそうでも原料を購入しているメー...
カーでトレーサビリティの仕組みを持っていなかったらそれ以上は追跡出来ず、暗礁に乗り上げる場合もあります。自社は比較的しっかりしていても下請け会社の履歴が取れない所も少なくありません。
これまで取引先企業が原因の問題が起きたことが無いとしても、一度『 仮想苦情 』を想定して期待した情報がどの位の速さで返ってくるか調べることが有効です。個人でも履歴書や職務経歴書を書く時は、自分自身のトレースを行う事になりますが、学歴程度なら追うのは簡単ですが職務経験や実績を詳らかにするのは大変なことです。