「多変量解析」とは、キーワードからわかりやすく解説

 

1. 「多変量解析」とは

多変量解析とは、その名前が示す通り多くの変数からなるデータを統計的に解析する手法の総称です。重回帰分析、主成分分析、因子分析、判別分析、数量化理論 (I類、II類、III類、IV類)、クラスター分析などがあります。多変量の解析は計算負荷が高く、従来手計算では非常に困難でしたが、コンピュータの高速化、支援ソフトウェアの普及によって、広く使われるようになってきました。 工業的な利用に留まらず、昨今ではアンケート分析の分野でも手軽に使われています。 個別の手法に関しては、それぞれの解説記事を参考にしてください。

 

私たちの身の回りには様々な分野で多くのデータが存在しています。存在するデータから多くのことを学習し、次の段階に生かそうという活動は大昔からありました。株の売買でも、先を読むには現状や過去の傾向について関連情報を参考にします。製造業のようなものづくりの場でも歩留や生産数がおちた時「どの装置がダメだったのか」「温度が低下していなかったか」「濃度が低かったのではないか」「攪拌(かくはん)回転数は適切だったのか」といった調査を行います。

 

「知りたいこと」を「何が関係しているのか」によって知りたいわけです。通常は、何が関係しているのかの数は複数個となります。C7つ道具で有名な特性要因図は、一つの特性(例えば、歩留まり悪化)に対して、様々な要因(原因と考えられるもの:温度差、作業条件、材料不純物…)を挙げていくわけですが、これも知りたいことが何によって決まっているのかを知りたいということにつきます。ここでも様々な要因は文字通り複数個です。もし、1個で決まっているのなら、特性要因図は要りません。

 

多変量解析というのも、様々なデータの関連性を調べて客観的にそれを定量的に評価するという試みであって、やろうとしていることは大昔から変わらないのです。

 

2. 「多変量解析」の種類

世の中、全て相関だらけという意味で多変量解析が有用なこと、論を待たないわけです。実際ものづくりだけでなく、経済学、心理学、医学にも多用されます。ただ目的に応じて様々な方法があります。多変量解析のうち、代表的、初心者向きを挙げると以下のようになります。

  • 重回帰分析:いくつかの原因とその結果を結びつける。予測が目的。
  • 主成分分析:情報の総合化
  • 因子分析:共通因子の推定
  • 判別分析:データのグループ分け
  • クラスター分析:塊の構築

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