「官能検査」とは、キーワードからわかりやすく解説

 

1. 「官能検査」とは

官能検査とは、検査員の感覚(視覚、聴覚、味覚、臭覚、触覚)を使って対象物を検査・評価することであり、官能評価、官能試験とも呼ばれることもあります。 計量、計数できる検査・評価方法に比べて、検査員の主観や体調にも左右されるため、安定的に検査・評価する独自の仕組みが必要です。

 

2. 官能を使い、モノを検査し評価する「官能検査」

官能とは「感覚器官の働き」を意味します。すなわち、見たり、聞いたり、味わったり、匂いをかいだり、モノに触れたりした時に感じる感覚(視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚)の事です。広辞苑によれば次のようになっていますが官能検査での官能という意味はもちろん、下記のように①であって②ではありません。 

  • ① 感覚器官の機能、また一般に生物諸器官の働き
  • ② 俗に「感覚」「感官」と同意に用い、特に性的感覚をいう  

 

そして官能を使って、モノを検査したり、評価したりすることを官能検査(評価)といいます。歩きやすい靴、加工食品の味付け、ステレオの音響、座り心地の良い椅子、切れ味の良い刃物、鮮明なテレビの画像など、いずれも官能検査を行って開発された商品です。このように官能検査の対象となるものは日常生活の中に数多く存在しています。

 

3. 「官能検査」分析型パネルと嗜好型パネル

官能検査を行うにはまず、評価をするヒトの特性を明らかにする必要があります。ヒトの感覚はそれぞれ異なるのはもちろんのこと、個人でもその時々で判断が変わるのが一般的です。すなわち人間の感覚を測定器の代替とする官能検査は、機器測定とは異なり、本質的にバラツキを伴う事を考慮して実施する必要があります。

 

そして研究の対象物を評価し客観的なデータを得るためには、その目的にかなった人を選ぶこと、すなわちパネル(panel:官能検査を行うために選ばれた人達の集団)の選定が必須となります。しかし現実には「選ぶ」のではなく研究者の身近にいる人、例えば研究所関係者あるいは、学生などで代替されているのが現状です。もちろん彼らで十分に目的を達する事もあります。ただし一般性を持たせる為には、ある範囲での条件設定が必要となります。官能検査を行う人の種類は大別すると、分析型官能検査と嗜好型官能検査に分類できます。

 

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