「ABC/ABM」とは、キーワードからわかりやすく解説

 

1. 「ABC/ABM」とは

ABC(Activity Based Costing)もしくはABM(Activity Based Management)とは、直接原価よりも間接(配賦)原価の割合が増えた近年の製品、サービスに対して生み出された原価管理方式であり、間接工数をActivityすなわち活動単位で原価に組み入れ、より実態に近い原価計算を可能としたものです。 旧来の原価計算においては、間接費を生産量などに比例して画一的に配賦するため、少ないリソースしか使わない大量生産品に対して多くのリソースを使う少量品の原価が不当に安く扱われるという問題を解決するものです。

 

2. ABCのメリット

正確なコスト計算
ABCは、製品やサービスのコストをより正確に把握できるため、無駄なコストを削減しやすくなります。活動ごとにコストを割り当てることで、どの活動が利益を生んでいるかが明確になります。

意思決定の質向上
正確なコスト情報を基にした意思決定が可能になり、価格設定や製品ラインの見直しなど、戦略的な判断がしやすくなります。

業務改善の促進
活動の効率を分析することで、改善が必要なプロセスを特定し、業務の効率化を図ることができます。

 

3. ABCのデメリット

導入コスト
ABCの導入には、システムの構築やデータ収集のためのコストがかかります。特に中小企業にとっては負担となることがあります。

複雑さ
活動ごとのコストを詳細に追跡するため、管理が複雑になり、運用が難しくなることがあります。

データの正確性依存
正確なデータが必要であり、データの質が低いと、結果も信頼できなくなります。

 

4. ABMのメリット

戦略的な業務管理
ABMは、コストだけでなく、業務全体のパフォーマンスを向上させるための手法であり、戦略的な意思決定をサポートします。

顧客価値の向上
顧客のニーズに基づいた活動の見直しが可能になり、顧客満足度を高める施策を講じやすくなります。

継続的改善
ABMは、業務プロセスの継続的な改善を促進し、競争力を維持するためのフレームワークを提供します。

 

5. ABMのデメリット

実施の難しさ
ABMを効果的に実施するためには、組織全体の協力が必要であり、文化的な変革が求められることがあります。

リソースの必要性
ABMの導入には、時間や人材、資金などのリソースが必要であり、特に中小企業には負担となることがあります。

短期的な視点のリスク
短期的なコスト削減に偏りすぎると、長期的な成長戦略が損なわれる可能性があります。