PERTとは?メリットやPERT図の作成方法、活用例を詳しく解説

 

1. PERTとは

PERT(Program Evaluation and Review Technique)は、プロジェクトの計画に際して、作業と作業を矢印で結ぶことで、それらの関係性を明確に示します。 さらに各作業の所要時間を記入することで、経路ごとの所要時間や最短時間また最も長くなる経路すなわちボトルネックとなる経路を見つけることが可能となり、この経路をクリティカルパスと呼び、それを見つける方法がCPM(Critical Path Method)です。 スケジュール表のタスクをバー状に表現するガントチャートに似ていますが、タスク数が増えてしかも相互の関係性が複雑になると管理が難しくなりPERTが真価を発揮します。

◆ PERT図とは

PERT図は、プロジェクト管理で使用されるツールの一つです。この図は、プロジェクトのリスク管理やリソースの最適化にも役立ちます。この図は、プロジェクトのスケジュールを計画し、管理するために使用されます。主な目的は、プロジェクトの進捗状況を視覚的に表現し、タスク間の依存関係や時間的な制約を明確にすることです。PERT図は、活動をノード(点)で表し、活動間の関係を矢印で示します。各活動には見積もり時間が設定され、プロジェクトの完了までの時間を予測するのに役立ちます。

2. PERTの利用方法

PERT図には「アロー型」と呼ばれる、結合点を示す円の作業を示す矢印で結びつける型と「フロー型」と呼ばれる、各工程をボックスに記入することで、各工程の順序を矢印で結びつける型があります。

◆PRRTの図形に利用されるキーワード

PERTでは、プロジェクトの進行状況やスケジュールを視覚的に表現するために、特定のキーワードや概念が使われます。まず「ノード」は、PERTネットワーク図で使用される円形や楕円形の図形を指します。各ノードは、プロジェクト内の特定の作業やタスクを表しており、それぞれが一意の識別番号を持っています。次に「タスク」は、プロジェクト内で行われる具体的な作業や活動を指します。各タスクは、開始日、終了日、所要時間などの情報が含まれており、それぞれのタスクがノードとして表現されます。最後に「依存関係」は、プロジェクト内のタスクや作業の間に存在する相互の関係性を示します。あるタスクが他のタスクの完了に依存している場合、それらのタスク間に依存関係が設定されます。これにより、プロジェクト全体のスケジュールや進行状況を正確に把握することができます。

・ネットワーク
ネットワークとは、各要素を組み合わせた上でプロジェクトの工程表を作成します。
一般的にPERT図を表すのは、この「ネットワーク」を表しています。

・イベント
ネットワーク(PERT図)の中の丸で囲った部分の事を表します。プロジェクトの状態を表現することもあります。

・ダミー
ダミーはアクティビティやイベントの関係を相互表現します。次の工程を指しているのがダミーな訳ではないのですが、イベントが矢印元の状態にできてないと、イベントの矢印先の作業を進行することが出来なくなることを表現しています。

・アクティビティ
作業の内容を実際に表す矢印のことです。矢印の近くに通常では作業名と工数が記載・表現されています。

3. PERTのメリット

プロジェクトに必要な工程を経験や勘に頼らず確認できるようになり、各工程の所要時間や依存関係を把握できることが大きなメリットとして挙げられます。

PERTが一般に認知されるまでは、プロジェクトはプロジェクト・マネジャーの勘や経験によって進行されてきました。そのため、進行が上手なプロジェクトマネージャーならいいのですが、まだまだ初任者のプロジェクトマネージャーなどはプロジェクトの失敗する確率がかなり上がってしまう状態でした。その状態に陥ってしまうと、目の前のタスクを優先してしまいプロジェクトをトータルで見ることが出来なくなってしまい、完了まで導けるプロジェクトマネージャーとなれない場合もあります。しかし、PERTを利用すると、メリットでもある「必要な工程の時間の把握」「各工程の関係性の把握のしやすさ」などが整理されて経験が浅いプロジェクトマネージャーにも、プロジェクトの進行をスムーズにできるようになってきています。

また、プロジェクトではさまざまな関係者が関与します。そのプロジェクトメンバーの間で情報共有が容易になることで、どのような流れで作業を進めていくかが明確となるため、スムーズに作業を進めていくことができます。

4. PERT図とガントチャートの違いとは 

(1)プロジェクトの活動間の依存関係を示す確率論的な手法

PERT図は、プロジェクトの活動間の依存関係を示す確率論的な手法であり、活動の時間の推定値と標準偏差を考慮してスケジュールを作成します。一方、ガントチャートは、プロジェクトの活動やタスクを時間軸上に視覚的に表示するための計画ツールです。

(2)不確実性やリスクを考慮してプロジェクトのスケジュールを最適化

PERT図は、不確実性やリスクを考慮してプロジェクトのスケジュールを最適化するのに適しています。一方、ガントチャートは、プロジェクトの進捗状況を追跡し、タスクの完了状況を可視化するのに適しています。

(3)複数の活動やイベントが同時に進行する場合に有用

PERT図は、複数の活動やイベントが同時に進行する場合に有用です。一方、ガントチャートは、単一のプロジェクトやタスクの進行状況を把握するのに適しています。

5. PERT図の作成手順

PERT図の作成手順は次の5ステップです。

(1)プロジェクトの活動を特定する

まずはプロジェクト内のすべての活動を特定し、それぞれの活動がどのように関連しているかを理解します。

(2)活動の順序と時間を決定する

各活動の開始時期と終了時期を見積もり、それぞれの活動の順序を決定します。

(3)活動の依存関係を特定する

各活動が他の活動にどのように依存しているかを特定し、それに基づいて活動の順序を調整します。

(4)PERTネットワークを作成する

特定した活動とその依存関係をもとに、PERTネットワーク図を作成します。この図は活動の順序と時間を視覚的に表現します。

(5)活動の時間を最適化する

最後に、PERTネットワーク図を使用して、プロジェクト全体の時間を最適化するために活動の時間を調整します。

6. PERT図の具体的な活用例

PERT図は、プロジェクト管理で活用される手法です。具体的な活用例としては、次のようなものがあります。

(1)新商品開発プロジェクト

新商品を開発する際に、各タスクの所要時間や依存関係をPERT図にまとめることで、プロジェクトの進捗状況を把握しやすくなります。

(2)建設プロジェクト

建設現場での作業スケジュールを管理する際にPERT図を活用することで、作業の順序や期間を最適化し、プロジェクトの遅延を防ぐことができます。

(3)イベントの企画

イベントの企画や準備において、各タスクの関連性や期間を明確にするためにPERT図を使用することで、イベントの成功につなげることができます。

7. PERT図の活用が向いているシーン

PERT図の活用が向いているシーンやプロジェクトの例です。PERT図は、プロジェクトの複雑さや規模が大きい場合に特に効果的です。

①建設プロジェクト:建設プロジェクトでは、複数の作業やタスクが同時に進行し、それらの依存関係を正確に把握する必要があります。PERT図は、各作業の所要時間や依存関係を視覚的に表現するのに役立ちます。
②製品開発プロジェクト:製品開発プロジェクトでは、複数の部署やチームが関わり、作業の進捗状況を把握する必要があります。PERT図は、各部署やチームの作業スケジュールを統合し、全体の進捗を管理するのに役立ちます。
③イベント企画:イベント企画では、複数のイベント要素や準備作業が同時に進行し、それらの関連性を把握する必要があります。PERT図は、イベントのスケジュールや準備状況を整理し、イベントの成功に向けた計画を立てるのに役立ちます。

8. まとめ

PERTは、プロジェクトの計画に際して、作業と作業を矢印で結ぶことで、それらの関係性を明確に示します。さらに各作業の所要時間を記入することで、経路ごとの所要時間や最短時間また最も長くなる経路すなわちボトルネックとなる経路を見つけることが可能となり、この経路をクリティカルパスと呼び、それを見つける方法がCPM(Critical Path Method)です。 スケジュール表のタスクをバー状に表現するガントチャートに似ていますが、タスク数が増えてしかも相互の関係性が複雑になると管理が難しくなりPERTが真価を発揮します。

 

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