「目標」と「計画」の限界
2018-05-31
昨年「やる気の技術」というテーマでセミナーやコンサルティングの機会を通じて思ったことがあります。
多くの場面で、目標設定をすることと計画をすることが重要だと教えられ、その上で行動することを要求されます。職場ではもちろんのこと、新年になると増える「夢をかなえる」「なりたい自分になる」というような場でも、目標設定と計画作成が大切だといわれます。
ここに疑問を感じるのです。
これは、通常の登山のように、山もその頂も移動することなく、地図があって山頂に至るコースも事前に確認できるという状況で有効なアドバイスであって、今の世の中は、多くの不確定要素を抱えていながら変化しており、その変化のスピードもどんどん速くなっている、そんな状況には良いアドバイスとは言えないのではないかと思うのです。
同様のことを MIT メディアラボ所長の伊藤穰一氏が話しています。教育がテーマなのですがとても興味深い内容です。
学ぶべきは、「何を学ぶか」ではなく、「どうやって学ぶか」
そもそも、変化の激しい世の中では、目標そのものがどんどん変わるはずです。地図もどんどん古くなってしまい役に立たないかもしれません。
地図が役に立たず、目標が動く状況下で大切になるのは、目標を追う行為そのものに「興味」を持つことであり、自ら目標を追いかけるために必要な工夫や行動を生む「姿勢」や「在り方」です。これは「内発的動機づけ(モチベーション)」に他なりません。自分が興味があるからやる、自分が大切だと思うからやる、自分に意味があるから...
やる、というモチベーションです。
だからこそ、モチベーションを引き出すことを気分や根拠の曖昧な話に頼るのではなく、技術としてとらえ、その技術を身につけることが大切です。