クリーン化活動の推進とは
2018-06-07
今回は、クリーン化活動の推進の観点から、解説します。
クリーン化活動はすぐに成果、効果が目に見え無い活動ですが、地道にコツコツ継続することで、大きな効果を生む、意味のある活動です。しかし、地味な活動故に手を抜きやすいとも言えます。
地味でも毎日やり続け、積み上げてきたからこそ、現場の環境が良い状態で維持できるのです。これが手を抜き始めると、掃除でも今日1回くらいは良いか、少しぐらいは良いかということが繰り返され、最初は気が付かなくても段々汚れて行きます。やがて、活動自体が止まってしまいます。
もちろん清掃についても基準や標準、規定の類が整えられ、それに従ってきちんと実施されているところも多いでしょう。しかし、環境面の長年積み重ねて来たものが崩れるのは速いようです。そして、それを元に戻そうとしても、なかなか動かすことが出来ません。止まったものを動かすには相当なエネルギーが必要になります。
その標準類があっても、惰性や手抜きは起きるので、経営者や管理監督者の旗振り、現場へ足を運ぶことが重要です。クリーン化活動は、経営者、管理・監督者の旗振りとその継続が重要になります。
最近は成果主義が強調されます。数字やデータでの報告が要求され、それで評価がされると、どうしても成果が得やすいことになびいてしまい、クリーン化活動のような地味な活動に光が当たることはなくなってしまいます。経営者、管理・監督者の皆様にそこを旗を振って、或いは後押しをしてやって頂きたいものです。
クリーン化活動は、理論、理屈ではなく、実際にやってみるとその必要性が実感できます。表面的な数字やデータではなく、長い目で見てやって欲しいと思います。きっとものづくり現場の体質が改善され、強くなると思います。
最近、大手企業でも品質上の問題が沢山出ています。これらは、もしかすると氷山の一角かも知れません。他社からの監査がないとしても、内部品質監査のシステムはあるのではないでしょうか。それも機能していなかったとすると、やはりその部門、工程だけにスポットを当てるだけでなく、品質管理面での全体の組織、体制、機能も見直すことが重要だと考えます。
品質の作り込みには、基準や規格が定められているはずですが、作り込み品質が...
強いはずの日本の現場でそれが守られていないのは悲しいことです。大手企業は、大量生産の仕組みも整っているはずですから、大量生産=大量不良生産に繋がることも考え、そうならない仕組み、歯止めをしたいものです。
つまり未然防止に力を注ぐと言うことです。ひとたび大きな問題が起きると、市場に与える影響が大きく、会社の信用の低下だけでなく、企業の存続さえも危うくなります。そのことも含め、経営者や管理、監督者が現場に足を運ぶことは重要です。旗振りとは、口で言うだけでなく、背中を見せることも大切です。