物流の発生源に着目せよ 究極の物流改善に取り組め(その1)
2018-08-17
皆さんは常日頃物流改善に取り組まれているとは思いますが、その効果がしだいに小さくなっていくことに悩まれている方もいらっしゃるかもしれません。
物流改善は長年の間、その重要性を叫ばれながら、なかなか手が付けられてこなかった領域です。その意味では少しの改善で大きな効果が得られるといった、実にコストパフォーマンスの良い取り組みであるといえます。
しかし物流改善に長年取り組んできた方にとっては、だんだんとアイテム数も減少し、新たに取り組んでも一時期ほど効果は出てこなくなったかもしれません。このような現象は物流改善に限らず、あらゆる改善活動で同様です。しかし改善に終わりはありませんから、常にネタを見つけてはそれをつぶしていくことに変わりはありません。
実は物流は何かしらの行為の結果として生まれるものととらえることができます。物流管理の一部である在庫も同様です。たとえば販売予測精度が悪かったために売れ残り在庫が発生します。生産の作り勝手が大きなロット在庫を生じさせます。
つまり営業活動や生産活動の結果として現れるのが在庫であり物流であるのです。
ということは物流改善のネタとして、このような物流発生要因をつぶすことが最も効果的であるといえそうです。そこで、そろそろこのような物流の発生源に着目し、それに対して手を打っていくことを考えてみてはいかがでしょうか。
実はこの活動、改善活動のように見えますが、実際には日々のサプライチェーンマネジメントの一環であると考えた方がよさそうです。たとえばサプライチェーンの上流である「調達活動」、これもれっきとしたサプライチ...
ェーンマネジメントの一部です。
ものの買い方次第で在庫は変動しますし、物流コストにも影響を与えます。私たちが考えなければならないのはサプライチェーン全体で効率化されるか否かでしょう。仮に見かけ上の輸送コストが下がったとしても、輸送の前後に大きな在庫が発生し、サプライチェーンのリードタイムが延びてしまったとしたら本末転倒です。
次回に続きます。