通販物流と日本の物流実力値 私たちの物流実力値(その1)

 
  
 
 筆者はよくセミナーで宅配物流(通販物流)の話をします。今までではほとんどマイナーであった通信販売が当たり前となり、それを支える物流が注目を浴びています。セミナー参加者の方に通販で発注してからどれくらいの時間で届けばよいかを聞いてみると、大半の方が「翌日」に届けば十分だという回答です。
 
 中には2~3日で届けばよいという方も少なくありません。これがユーザーの本音なのでしょう。一方で提供側の考え方はどうでしょう。
 
 当日中の配送を売り物にしている感じがします。たしかに通販はどこで買っても同じものであり、店舗のような対面サービスが無いためなかなか差がつきにくいと思われます。ではユーザーは何で通販会社を選ぶかというと、商品単価と配送料金です。つまり「いくら払えば届くのか」ということが重要なのです。
 
 当日中に届くもしくはもっと短時間で配送されることはユーザーにとってそれほど大きな判断ポイントではなさそうです。一方で指定された時間帯で届くかどうかは重要ポイントです。物流観点からは「定時性」ということになるでしょう。
 
 通販物流は誰もが接点を持つポイントですから、日本の物流の良しあしはある意味通販物流で判断されるのは仕方のないことかもしれません。では満足度はいかがでしょうか。セミナー参加者の方に質問すると、大多数の方が通販物流に関しては満足だと回答されます。
 
 一方仕事で物流管理に携わる方にはいろいろな問題が存在するようです。通販物流は一部に過ぎずもっと広い視点で日本の物流実力値は判断しなければならないでしょう。
 
 日本の物流実力値を知るための有益な資料があります。それ...
は世界銀行が4年ごとに発行している調査データです。「Logistics Performance Index」です。最近では2016年度版のデータがあります。このデータは世界における調査対象160カ国で主要な物流機能について報告されています。
 
 各機能別の評価値が数字で示されています。では日本のポジションはどのレベルにあるでしょうか。次回も続けて解説します。
 

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