1.繰り出し鉛筆の金具の細工を依頼されて、シャープペンシルを考案
大正4年当時、錺【かざり】職人だった早川徳次(早川電機=現シャープ創業者)は、万年筆のクリップや金具に唐草模様などを彫り込むことを思いつき、万年筆メーカーからの仕事を請け負っていました。
ある時、、得意先の万年筆メーカーが、万年筆ではなく繰り出し鉛筆の金具の細工を依頼してきたのですが、その繰り出し鉛筆は、セルロイドとブリキでできた、いかにも壊れやすそうな代物でした。
発売後も問屋からは細かい改良の注文が相次ぎましたが、早川はいやな顔ひとつせずに注文に応えて改良を重ね、次第にスクリューペンシルは人気を呼び、大量に輸出されるようになったのです。早川はその後も改良の手をゆるめず、芯をより細くしたのをきっかけに「シャープペンシル」と改称しました。現在のシャープペンシルの普及ぶりはご承知のとおりです。
2.タクシーの中で芳香剤が香るのを体験し、大ヒット商品「サワデー」をひらめく
当時、日本には「トイレボール」という100円の商品...
出典:「ひらめきの法則」 髙橋誠著(日経ビジネス人文庫)