1.不況のさなかに大病をわずらい、病床で「店員の総がかり販売作戦」を思いついたパナソニックの創業者 松下幸之助
松下電器産業(現、パナソニック)の創立者松下幸之助は、昭和4年秋から翌年夏にかけて大病をわずらい、療養生活を余儀なくされていました。会社を設立してまだ10年あまり、折りしも大不況のさなかです。在庫の山をかかえ、このままでは従業員500人弱の給料が支払えない大ピンチの到来でした。
とことん追い込まれた松下の頭にひらめいたのは、「店員の総がかり販売作戦」でした。このアイデアを元に松下の大躍進が始まります。
会社を一流企業に成長させた社長は、必ず苦難の時代を経験しているという説があります。このときの病床の松下も、苦難の時期をひらめきを得て切り抜けたのです。
2.虫垂炎の手術の最中に新しい実験を思いつき、計画まで立てた科学者 菊池誠
元ソニー中央研究所所長の菊池誠が圭だ研究員だった頃の話です。それまで慢性の虫垂炎に悩まされていたのですが、ついに緊急手術という事態となりました。
病院で手術台に横たわった菊池でしたが、局部麻酔なので意識ははっきりしています。お腹がメスで開かれ、なかをのぞいた医者の「腸間膜が癒着しているな」という声が聞こえてきました。その瞬間、菊池は「しめた!」と心のなかで叫びました。熱起電力についての新しい実験を思いついたからです。いったんアイデアがひらめくと、あとはどんどん勝手にアイデアが展開していきました。なんと彼は、手術が終わるまでに具体的な実験計画まで、すっかり練り上げてしまったのでした。
3.槍騎兵と槍の夢からシンガーミシン発明のヒントを得た、アメリカのシンガーミシンの創業者 アイザック・シンガー
シンガー・ミシンで有名なアイザック・シンガーのミシン開発のきっかけは、ある夜に見た不思議な夢にあったと言います。
その内容は、武装した槍騎兵がはためく旗を槍で何度も突き刺しているというものです。旗は突き刺され...