「運搬レス」を志向したレイアウトとは 運搬改善を進めよう(その1)
2019-06-17
7つのムダによれば「運搬」はムダということになります。たしかに構内でものを移動させる行為は付加価値を生むことはありませんから、この観点で運搬がムダであることはわかります。運搬が発生するのは工程のつくり方に問題があるからです。レイアウトを決めるときに運搬が発生しないように工夫すれば運搬レスの工程もつくることが可能です。
しかしこの「運搬レス」を志向したレイアウトを考えるという発想がなければよいレイアウトはできません。この「固定観念」を破ることが必要になってくるのです。工場レイアウト検討は技術部門が行います。彼らの頭の中にはその工程での技術については明確な目標がありますが、物流に関してはあまり関心がないことが多いようです。
製品を決められた時間で要求品質を満たしたうえで生産できるような工程設計を行います。技術部門の担当は工程ごとに分かれているケースが多いので、甲さんはA工程の担当、乙さんはB工程の担当という形になっている可能性があります。
甲さんも乙さんも自分の工程内でのSQDCについては目標を達成しようと必死に仕事を行います。しかしA工程とB工程のつなぎについては技術部門では検討外項目となり、結果的に運搬が発生してしまうようなレイアウトができてしまっているのです。
工場に物流担当者がいればこの工程間のつなぎを担当することになると思います。しかしそのようなタスクが与えられていなければ、また工程間設計が三遊間のゴロとなって抜け落ちてしまうのです。
「物流は最初が肝心」なのです。一...
回運搬が発生するレイアウトをつくってしまうと、そのレイアウトである限り運搬が発生し続けます。そこで運搬改善の第一歩はそれを発生させないレイアウトにすることなのです。では物流部門の担当者の頭の中にない「工程間のつなぎ」についてどのようにしていったらよいでしょうか。その方策に「物流工程設計チェックリスト」を準備するということが考えられます。
次回に続きます。