購買業務の要点:管理技術について

更新日

投稿日

 SCM前回のその13に続いて解説します。サプライヤーで特に不足していると思われるのが「管理技術」だと思います。たとえば現場管理はどうでしょうか。サプライヤーが最低限行わなければならないことはQCDを守って物を作って納入することです。多くのサプライヤーはこれだけで手いっぱいなのです。
 
 皆さんの会社の管理技術レベルとサプライヤーの管理技術では差があるということを頭の中に入れておく必要があります。現場管理の基本である「標準作業の設定」であったとしてもサプライヤーでそれができているとは限らないのです。
 
 作業者によって仕事の仕方やスピードにばらつきがあるということを念頭に置いてサプライヤーと話をするべきでしょう。もし標準が決まってなかったものをきっちりと決めればQCDのレベルが向上することは確実なのです。これをしっかりとサプライヤーに説明するとともに「標準作業の設定」の仕方を教えてあげることです。
 
 生産工程改善の取り組み方もサプライヤーの現場に出向いて実際に教えてあげましょう。すると生産現場の形が変わります。仕事の仕方が変わります。新たな管理帳票が作成されます。
 
 このように具体的に形が変わればサプライヤーとしてもしみじみと来るところがあるでしょう。そうなると、しめたものです。改善が加速するからです。特に「管理技術」については実際に使用する管理帳票を提供してあげるとともに特定の工程で作成してあげるくらいの度量が欲しいものです。
 
 本来であれば、お金を払ってコンサルタントに依頼して改善していくべきところを、皆さんが協力してあげることでサプライヤーは実現できるのです。サプライヤーにとって決して悪い話ではないはずです。一点気にしなければならないことは改善を持ちかけた時のサプライヤー側の受け皿です。
 
 小さな会社になればなるほど一人の担...
 SCM前回のその13に続いて解説します。サプライヤーで特に不足していると思われるのが「管理技術」だと思います。たとえば現場管理はどうでしょうか。サプライヤーが最低限行わなければならないことはQCDを守って物を作って納入することです。多くのサプライヤーはこれだけで手いっぱいなのです。
 
 皆さんの会社の管理技術レベルとサプライヤーの管理技術では差があるということを頭の中に入れておく必要があります。現場管理の基本である「標準作業の設定」であったとしてもサプライヤーでそれができているとは限らないのです。
 
 作業者によって仕事の仕方やスピードにばらつきがあるということを念頭に置いてサプライヤーと話をするべきでしょう。もし標準が決まってなかったものをきっちりと決めればQCDのレベルが向上することは確実なのです。これをしっかりとサプライヤーに説明するとともに「標準作業の設定」の仕方を教えてあげることです。
 
 生産工程改善の取り組み方もサプライヤーの現場に出向いて実際に教えてあげましょう。すると生産現場の形が変わります。仕事の仕方が変わります。新たな管理帳票が作成されます。
 
 このように具体的に形が変わればサプライヤーとしてもしみじみと来るところがあるでしょう。そうなると、しめたものです。改善が加速するからです。特に「管理技術」については実際に使用する管理帳票を提供してあげるとともに特定の工程で作成してあげるくらいの度量が欲しいものです。
 
 本来であれば、お金を払ってコンサルタントに依頼して改善していくべきところを、皆さんが協力してあげることでサプライヤーは実現できるのです。サプライヤーにとって決して悪い話ではないはずです。一点気にしなければならないことは改善を持ちかけた時のサプライヤー側の受け皿です。
 
 小さな会社になればなるほど一人の担当者が多くの仕事を担当しています。皆さんの会社から現場管理、品質管理、生産改善の3つを持ちかけても同時には対応できないかもしれません。ここは受け側の事情を十分に考慮してあげましょう。気長にサプライヤー改善支援をしていくことが望ましいといえるのです。
 
 次回は、「必要とされる購買人財」がテーマです。
 
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
ギリギリまで作らない、運ばない、仕入れない (その10)

1.通常供給時のチェーンの速さが差別化になります    前回のその9に続いて解説します。高度成長期は在庫を保有して、そこから受注に応じた出荷...

1.通常供給時のチェーンの速さが差別化になります    前回のその9に続いて解説します。高度成長期は在庫を保有して、そこから受注に応じた出荷...


SCMはなぜ難しい サプライチェーンマネジメントによる全体最適化(その1)

  【サプライチェーンマネジメントによる全体最適化 連載記事目次】 1. SCMはなぜ難しい 2. SCM戦略とは 3. 変動メカニズム...

  【サプライチェーンマネジメントによる全体最適化 連載記事目次】 1. SCMはなぜ難しい 2. SCM戦略とは 3. 変動メカニズム...


海外工場支援者のための「物流指導7つ道具」(その4)

第4回 道具4「物流会社選定ツール」(上)   ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 1.今の物流会社に満足していますか &n...

第4回 道具4「物流会社選定ツール」(上)   ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 1.今の物流会社に満足していますか &n...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
製品設計と荷姿設計 エンジニアリングとしての物流(その4)

 前回のその3に続いて解説します。    今回は、荷姿効率を向上させるための製品のあり方の検討の重要性について考えていきたいと思います。何度もお話をし...

 前回のその3に続いて解説します。    今回は、荷姿効率を向上させるための製品のあり方の検討の重要性について考えていきたいと思います。何度もお話をし...


物流の将来像検討とは:物流事業者との付き合い方(その2)

  ◆ 物流の将来像検討 物流を良くするためという考えの下、物流事業者に単純に丸投げすることは控えましょう。失敗する可能性大です。物流ア...

  ◆ 物流の将来像検討 物流を良くするためという考えの下、物流事業者に単純に丸投げすることは控えましょう。失敗する可能性大です。物流ア...


物流サービスと物流コスト:ベンチマークで実力把握(その3)

  ベンチマーク活動というものがあります。物流でいえばたとえば自社の物流コストが業界の中で競争力があるのかどうかを調査することです。自社の...

  ベンチマーク活動というものがあります。物流でいえばたとえば自社の物流コストが業界の中で競争力があるのかどうかを調査することです。自社の...