変わらぬ傘のイノベーション

 

 今回は梅雨の時期に必須な傘を例に、イノベーションが起こる可能性について、イノベーションが起きない商品にそれをどう起こすかを解説します。

 傘の基本機能は、雨を弾く、身体が濡れない、風を防ぐ、などがありますが、傘を技術的視点で改良改善を考えて見ると次のようです。

  ・傘の骨を強化する、太くする、素材を軽くする。
  ・傘布を強化する、水を弾きやすくする、破れないようにする。
  ・大きい傘にする。
  ・軽い傘にする。

 他社も考えていそうな一般的な視点で、これでは傘のイノベーションにはならないでしょう。よくない例かも知れませんが、敢えてイノベーションを起こすために視点を変えてみます。

 先日、傘が凶器になって悲惨な事件が起きました。傘を使って被害者が出てました、目を突き刺さされ怪我をし、失明してしまいました。傘は雨を防ぎ、体を濡れないようにするので、あって凶器ではありません。無論、メーカーが凶器を想定して作られていないでしょう。

 子供の傘では先が丸くなっているもの、手元の先や露先が丸くなって凶器にならないものもあります。しかし、基本的な傘の機能はここ何十年変化はありません。この事件から今更ですが、傘に安心安全を追求されているか疑問を感じました。この事例を読んでいる方も危険を感じたことはあるかと思います。

 傘の危険性を挙げてみると

  ・傘の先(石突き)が凶器になる。
  ・傘を差すときに露先が相手にぶつかる可能性がある。
  ・傘を差してすれ違うときに傘に当たる。
  ・傘を閉じるとき、フックに指を挟む。
  ・傘を広げるときに、カチッと止めるフックに指を挟む。
  ・傘が強風に煽られて、持っている本人も飛ばされる。
  ・滴が鞄の中で漏れたら、パソコンなどは壊れる。

 などなど、まだあるでしょう。

 傘はもう変化しないと考えられていたかも知れませんが、安心安全が担保されない悲しいが事件で、傘にイノベーションする必要性がでてきます。また、傘の危険についての実体験として、日傘も危ないと感じました。私の隣で低身長の女性が混雑している駅前で、周りを見ずに日傘を差しました。私は露先が身体、肩に...

刺さりました。危ないなと感じた瞬間でした。低身長ですと、前後左右にいる人の身体に接触する恐れがあるのです。

 傘に求めるもの

  ・周辺の気配り。
  ・先端部分(石突き)の変化。
  ・社会的弱者への対応。
  ・滴の処理。

 安心安全を追求する傘があってもよいと思います。こういった点から、まだまだ変化することができるはずです。傘に限ったことではないはずです。イノベーションが起きない商品のようで、まだまだイノベーションが起こる可能性は他にもあるかも知れません。

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