◆ 物流倉庫でのしつけ
物流現場を訪問すると非常にすっきりとした現場に出会うことがあります。こういった現場から生み出される物流はさぞかし高品質であると考えられます。一方で雑然とした物流現場からは間違いや商品損傷などが発生するような心配感が出てしまいます。
こういった第三者が見た印象は結構当たっているものです。当然のことですが、汚らしい現場を持つ会社には顧客は発注しないものです。
5Sの5番目のSが示すものは「しつけ」です。筆者はしばらくの間中国に住んでいたことがありますが、その時にこの「しつけ」の大切さについて痛感しました。
日本では製品を「投げてはいけない」とか「床に直接置いてはならない」などといったことを口やかましく言うことはありません。なぜなら日本ではこういったことは「常識」の範囲内であり、あえて言うまでもないと考えられるからです。しかし海外ではこの「常識」は「常識」ではありません。きちんと相手に伝え、それを守らせるようにしつけていかなければならないのです。
現場の整理整頓を行い、すっきり感を持たせることもしつけの一つなのです。海外ではここができていなければ顧客から満足を得られる現場を構築することが困難なのです。
中国では埃だらけの倉庫、ゴミがあちこちに落ちたまま、作業者はサンダル履きで仕事を行う、ものは平気で放り投げ、製品を...
そのような物流現場から出荷される製品の品質は推して知るべしです。この点が日本の求める品質水準とまるで異なるのです。
次回に続きます。