物流でのS&OPステップとは S&OPと物流(その3)

◆ 顧客の情報を活用しよう

 荷主である顧客から、荷動きの予測情報をもらうことは今後の仕事の段取りを考えていくために大切なことです。今の経営が、日々の確定情報だけで仕事をしているのであれば、それは考え直す必要があります。

 多くの物流センターの現場で話を伺うと、当日の午前に出荷情報をもらい、夕方までに出荷準備を行うというパターンが見えてきますどちらかというと、そのオーダーに振り回されて仕事をしているという感があります。

 しかし、顧客は単なる行き当たりばったりのオーダーをしているわけではありません。その月の販売計画や場合によっては次月、次々月の予定を持っている可能性があるのです。こういった情報は自ら取りに行かないともらえない情報です。今までが待ちの姿勢でいたのであれば、今後は積極的に情報を取りに行く姿勢が必要です。このような荷動きの予測情報を内示情報と呼びます。内示であって確定ではありませんが、先を見越して仕事をするためには貴重な情報です。

 物流業務の効率化のカギは「平準化」です。日によって変動が大きいと仕事の効率に支障が出ます。この変動はやむを得ないものという考え方が物流現場には多いようですが、その考え方は正しいとはえません。

 顧客の内示情報を極力入手し、仕事の前倒しなどによって平準化を図ることが必要です。仮に内示を入手できなくても「過去の実績」があります。このデータを基に将来を予測することも一つの方法です。

 S&OP:Sales and operationでは経営の意思決定を速く、正しく行っていくことも目的の一つです。この意思決定のためには「量の概念」を「金額の概念」に置き換えていかなければならないのです。

 下記7つの情報で自社の売り上げがどのように変化するのか、収益へのインパクトはどうなるのか、経営目標の水準に保つためにはどうすべきなのか、これらについて企業規模の大小を問わず修正していかなければなりません。

画:上期・下期の月別生産計画
  • 3ヶ月計画:向こう3ヶ月の生産計画(当月確定、次月・次々月は内示)
  • 月次計画:月間生産計画(日別内示)
  • 週次計画:週別生産計画
  • デイリー計画:日々の確定生産計画
  •  まずは情報を取ること、次に量の変化を金額に換算して経営で論議をすること、そして対策を打っていくこと、このステップが物流でのS&OPだといえるでしょう。皆さんの会社でもぜひ取り組んでいっていただきたいと思います。

     

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