物流倉庫改善に取り組もう (その2)

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SCM 

1. ロケーション管理

 物流倉庫内を改善する場合、ロケーション管理について注意をすると良いと思います。この管理をしっかりしていない場合、誤出荷につながる可能性があるため慎重に実施します。ロケーション管理には「固定ロケーション」と「フリーロケーション」の2通りがあります。前者はものの置き場所を固定する管理方法です。列車で例えれば「指定席」です。一方後者はものの置き場所を特定せず、その都度空いている場所に保管する方法です。列車で例えれば「自由席」ということになります。
 
 両者ともにメリット、デメリットがあります。固定ロケーションは場所が常に固定されているため置き場所がわかりやすく、新人作業者でもすぐに仕事をすることが可能になります。ただし商品の出方が変わったり廃止になったりした時に置き場所のメンテナンスが必要になります。若干の煩わしさがありますが、間違いを防ぐためには効果的な管理方法と言えるでしょう。
 
 フリーロケーションは商品の出方が変わっても置き場所のメンテナンスは不要であり管理上は容易な方法だと言えます。しかしその都度置き場所が変わると倉庫内作業者の迷いが発生します。迷いによるロス時間がもったいないので、これをいかに防ぐか工夫が必要です。愚直な改善方法にはなりますが、2Sを徹底すると共に大きな看板をつけるとか倉庫内マップを掲示するなどの泥臭い手を打っていくことが効率化につながるでしょう。
 
 固定ロケーションの場合には棚番号を「何丁目、何番地、何号」といった数字とアルファベットを組み合わせた意味のあるコードとして付していきましょう。例えばAゾーンの5番通路の左棚の17間口であれば「A―5-L17」といったコードを付けることになります。倉庫内のロケーションが定まったらピッキング作業の指示の出し方にも改善余地がありますので検討していきましょう。ピッキング作業者にさせてはならない行為は、次の5点です。
 
・ 探す
・ 開梱する
・ 歩く
・ 伸び上がる、屈む
・ 取り出し時に手間どう
 
 こういった行為を発生させないようにピッキング場と作業指示の与え方を考えることが必要です。また棚の高さやロケーションの設置位置についても工夫が必要です。よく保管在庫なのか、ピッキング用在庫なのかがごっちゃになっているケースを見かけます。保管在庫は納入業者から納入された在庫で、それをすべてピッキング場に払い出すと間口が増えるなど歩行を増やす要因となります。もちろん小ロットで納入されていれば問題はありませんが、概して調達ロットとピッキングによる出荷ロットの大きさは異なります。そこで在庫保管場所の改善も必要になってくるわけです。
 

2. 物流エラーを防ぐには

 倉庫で間違いを防ぐためにはロケーション管理をしっかりとやることが重要です。そのためには5Sをきっちりと行い、在庫管理の4原則を徹底し、社員教育を行っていくことが求められます。物流エラーは誤品や誤数、商品破損などが多いと思います。これらの発生を防止するために上記に加えて行っていくべきことがあります。その第一ステップは標準作業の確立です。標準作業がないと物流品質にばらつきが出ます。なぜなら作業者ごとに仕事のやり方に差が出るからです。
 
 ある作業者は丁寧に作業を行うためにエラーが少ないものの別の作業者は雑な作業を行って間違いを多発する可能性があるのです。第二ステップは全作業者が標準作業を実施していることを確認することです。よく標準作業を作ってもその通りに作業が行われているか確認していない会社があります。標準作業の確認を行っていない会社の方が多いかもしれません。標準作業が行われているかどうかを確認することを「作業観察」と言います。
 
 現場の管理監督者の重要な仕事の一つがこの作業観察です。標準作業書を持って現場に立ち、作業者の作業の様子を確認します。ピッキング...
SCM 

1. ロケーション管理

 物流倉庫内を改善する場合、ロケーション管理について注意をすると良いと思います。この管理をしっかりしていない場合、誤出荷につながる可能性があるため慎重に実施します。ロケーション管理には「固定ロケーション」と「フリーロケーション」の2通りがあります。前者はものの置き場所を固定する管理方法です。列車で例えれば「指定席」です。一方後者はものの置き場所を特定せず、その都度空いている場所に保管する方法です。列車で例えれば「自由席」ということになります。
 
 両者ともにメリット、デメリットがあります。固定ロケーションは場所が常に固定されているため置き場所がわかりやすく、新人作業者でもすぐに仕事をすることが可能になります。ただし商品の出方が変わったり廃止になったりした時に置き場所のメンテナンスが必要になります。若干の煩わしさがありますが、間違いを防ぐためには効果的な管理方法と言えるでしょう。
 
 フリーロケーションは商品の出方が変わっても置き場所のメンテナンスは不要であり管理上は容易な方法だと言えます。しかしその都度置き場所が変わると倉庫内作業者の迷いが発生します。迷いによるロス時間がもったいないので、これをいかに防ぐか工夫が必要です。愚直な改善方法にはなりますが、2Sを徹底すると共に大きな看板をつけるとか倉庫内マップを掲示するなどの泥臭い手を打っていくことが効率化につながるでしょう。
 
 固定ロケーションの場合には棚番号を「何丁目、何番地、何号」といった数字とアルファベットを組み合わせた意味のあるコードとして付していきましょう。例えばAゾーンの5番通路の左棚の17間口であれば「A―5-L17」といったコードを付けることになります。倉庫内のロケーションが定まったらピッキング作業の指示の出し方にも改善余地がありますので検討していきましょう。ピッキング作業者にさせてはならない行為は、次の5点です。
 
・ 探す
・ 開梱する
・ 歩く
・ 伸び上がる、屈む
・ 取り出し時に手間どう
 
 こういった行為を発生させないようにピッキング場と作業指示の与え方を考えることが必要です。また棚の高さやロケーションの設置位置についても工夫が必要です。よく保管在庫なのか、ピッキング用在庫なのかがごっちゃになっているケースを見かけます。保管在庫は納入業者から納入された在庫で、それをすべてピッキング場に払い出すと間口が増えるなど歩行を増やす要因となります。もちろん小ロットで納入されていれば問題はありませんが、概して調達ロットとピッキングによる出荷ロットの大きさは異なります。そこで在庫保管場所の改善も必要になってくるわけです。
 

2. 物流エラーを防ぐには

 倉庫で間違いを防ぐためにはロケーション管理をしっかりとやることが重要です。そのためには5Sをきっちりと行い、在庫管理の4原則を徹底し、社員教育を行っていくことが求められます。物流エラーは誤品や誤数、商品破損などが多いと思います。これらの発生を防止するために上記に加えて行っていくべきことがあります。その第一ステップは標準作業の確立です。標準作業がないと物流品質にばらつきが出ます。なぜなら作業者ごとに仕事のやり方に差が出るからです。
 
 ある作業者は丁寧に作業を行うためにエラーが少ないものの別の作業者は雑な作業を行って間違いを多発する可能性があるのです。第二ステップは全作業者が標準作業を実施していることを確認することです。よく標準作業を作ってもその通りに作業が行われているか確認していない会社があります。標準作業の確認を行っていない会社の方が多いかもしれません。標準作業が行われているかどうかを確認することを「作業観察」と言います。
 
 現場の管理監督者の重要な仕事の一つがこの作業観察です。標準作業書を持って現場に立ち、作業者の作業の様子を確認します。ピッキング作業では作業者が「三点照合」を行っているかどうかに注目することが多いと思います。もしこの三点照合を標準作業書に記述している場合、作業者がこのプロセスをカットすることは許されないからです。この二つのステップを確実に行っていれば物流エラーが発生する確率は極めて低くなると考えられます。
 
 標準作業の中に作業者を交代して「ダブルチェック」を行うことを記述している会社があります。ダブルチェックを行っていても100%エラーが防げるかというとそうでもなさそうです。これは何故でしょうか。それは同じような作業を毎日繰り返していると作業そのものがマンネリ化してくるからです。ダブルチェックはいわゆる検査業務です。しかし検査そのものにもマンネリ化は発生します。つまり検査しているつもりになってしまい、実際には見るべきポイントを見ていないということです。ではこの状況を改善するためには何をしたらよいでしょうか。この点は次回に解説します。
 

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この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

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