どこでもできる仕事から逸脱する 利益率を確保する物流会社の取組(その2)

◆ 加工作業を受注する

 儲かる仕事は今までと同じメニューの中にはないと考えた方がよさそうです。どこでもできる仕事からあえて逸脱してみることです。ポイントとしてまずは従来の仕事の前後に着目してみると良いかもしれません。

 例えばメーカーの製品保管と出荷業務を受注しているとしましょう。いったん出来上がった製品は自社倉庫で保管し、出荷指示に基づき輸送して客先まで届けています。この保管業務の前工程を見てみましょう。そうするとそのメーカーは完成品検査を実施していました。製品に通電し、正しく機能するかどうかをチェックしていたのです。

 この製品検査は難しい仕事ではなく、メーカーでもパート社員が実施していました。そこで「これは自社でもできるのではないか」と考えることが重要です。そしてその仕事の発注をメーカーと交渉するのです。メーカーとしても検査は付加価値を与えない仕事のためアウトソースすることにそれほどこだわりはないかもしれません。

 ではその前工程はどうでしょうか。最終的に製品本体にカバーだけを取り付ける簡単な組立作業を実施していました。しかもこの工程もパート社員による作業でした。品質基準もそれほど厳しくはなさそうです。

 できればこの作業も自社の仕事として受注したいところです。そうすれば先ほどの検査業務と合わせてそこそこの仕事量にもなるのです...

。今や物流会社だから物流業務だけという発想では儲かりません。このようにどんどんと領域を広げていきましょう。

 物流機能には「流通加工」という機能があります。値札付けやラベル貼りなどの作業が行われることが多いと思いますが、そうではなく「加工」そのものを仕事にする視点が大切です。

 次回に続きます。

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