見る分野の拡大と物差しの修正 会話を通して物流改善スキル向上(その2)

◆ 物流現場見学と意見交換

 人間誰しも得意分野や興味のある分野があります。現場に行くとその分野を中心に見ることになります。例えば物流現場を見学に行ったとしましょう。複数名で見学した場合、見学後にぜひ感想を述べ合うことを実施しましょう。

 この会話を通して見えることは「自分と違った視点」でしょう。ある人はトラックの積み込み状況に注目している一方で、別の人は積荷の荷姿に注目しているかもしれません。そうなると物流のすべてについて見ることにはならず、必ずと言っていいほど情報に偏りが出ることが考えられるのです。

 そこで見学後の情報交換が生きてくるのです。また同じ分野を見ていても感じ方が違います。そこそこのレベルだと感じた人もいれば、まだまだだと感じる人もいます。したがって別の人と情報交換すれば「自分の物差し」について意識することにつながるのです。そうなれば「少し自分の見方は甘すぎた」、というような意識の変化が生まれます。

 以上のように見学後の情報交換で「見る分野の拡大」と「物差しの修正」といったことが起こります。それによって何よりもその人のレベル向上につながり物流改善スキル向上になっていくのです。

 いかがでしょうか。物流現場見学後の会話だけでも、かなりの物流改善スキルレベルの向上が図られることがお分かりいただけたのではないでしょうか。特に若い人たちにはこのような見学とディスカッションの機会を提供してあげると良いと思います。若い人...

たちはまだ現場を見る際に固定観念が少ないと思われます。そこでまだ頭の中が真っ白な状態、柔軟性の高い状態の内にいろいろな現場の見方をしていくべきことを教え込んでいくのです。

 若い人たちが現場見学に行ってきた時にはぜひ感想を聞いてみましょう。中堅以上の人たちにも新鮮な情報がもたらされるかもしれません。

 次回に続きます。

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