物流子会社のレーゾンデートル メーカーと物流子会社(その3)

 

◆ 親会社の役割

 メーカーと物流子会社について、荷主が物流会社マネジメントをどこまでできているかが課題になりますが、特に物流子会社を持つメーカーの場合その役割は大きいものがあります。今回は、物流子会社を持つメーカーは親会社として何をやらなければならないのかについて考えてみましょう。

 親会社なのですから、子会社を育てていくという姿勢が必要です。これは親が子を育てるのと同じような状況だと考えればよろしいのではないでしょうか。ただ単に甘やかすだけではしっかりとした子供は育ちません。指導を繰り返しながら、最終的には自立できるようにすることが親には求められるのです。

 メーカー子会社の場合、親会社への依存度は高くて当たり前です。しかし徐々にこの依存度を下げていき、最終的には自立できるようにすることが理想です。親からの仕送り(親会社からの発注)がなくても子供自体が食べていける(外販で十分に会社が成り立つ)ように育て上げるのです。

 

 メーカーは管理の仕組みが比較的しっかりとしていると思います。現場管理の仕組みは、その最たるものではないでしょうか。現場管理においては、メーカーと同様のことを物流子会社にやらせることでノウハウが身につきます。

 物流業界が特に弱いと考えられる「現場管理」をメーカー指導の下で身に付けられるのですから、子会社は、立場的にも非常に有利であると考えられます。

 親会社は時には厳しいオーダーをすることで、物流子会社を鍛えてあげることも重要です。従来は親会社から自動的に仕事が振ってきたわけですから、物流専業者に比べると営業等については弱いと考えられます。

 そこで収益目標のほか、仕事の内容や価格的に厳しいオーダーを物流子会社に与えることで、徐々に体力を付けさせていくことが...

望ましいと思います。そして他の物流専業者と戦っても十分に勝てるだけの実力を付けさせるのです。

 

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 いかがでしょうか。メーカーの物流子会社はレーゾンデートル(存在理由・存在価値)をしっかりと確立しなければならないことがご理解いただけたのではないでしょうか。親会社は子会社の強み弱みを十分に把握した上で、育成に努めましょう。

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