付加価値作業以外を見つける 物流マンの視野を広げる(その6)

 

 物流マンには「ここの在庫が多いのは何か変だ」、「調達の頻度に偏(かたよ)りがある」といった問題に対し、第三者ならではの気づきが必要です。これらの気づきにつながる「問題発見力」は物流マンにとって必須項目です。ではそれをどのようにして身に付けるか。前回に続き、いくつかの方法について考えていきましょう。

 

3. 付加価値作業以外を見つける

 これは訓練になりますが、工場での生産作業や物流作業を見ながら、その中の「付加価値作業は何か」について考えてみます。

 付加価値作業とは端的に言えば、お客様がお金を払ってもよいと感じる作業のことを指します。

 

 つまり、それ以外の作業が「付加価値作業以外」ということになるのです。この訓練は大変有意義だといえるでしょう。なぜなら、こういった見方をすることで自社のムダ、つまり付加価値作業以外の作業を簡単に見つけることができるようになるからです。

 じっくりと時間をかけながらチェックする検査作業、工場内での長距離横持ち運搬、製品の詰め替え作業などは少なくとも付加価値作業とは言えません。こういった判断ができるようになるだけで物流マンは大いに成長したことになるでしょう。

 

4. 外部の専門家にサポートを依頼

 物流マンは付加価値作業以外の作業、つまり無付加価値作業と低付加価値作業を見つけられるようになることで、顧客のサプライチェーン上の問題を指摘することができるようになります。

 次は見つけた問題点を解消できるよう、顧客に対しアドバイスを行いたいところです。しかし、これは容易なことではないかもしれません。今まであまり改善活動を実施したことがない場合、的確にアドバイスすることは難しいでしょう。

 そこで思い切って外部の専門家を招いてアドバイスをしてもらいましょう。もちろん、物流マンに成り代わってということです。多少コストは要しますが、顧客に喜ばれ次のビジネスにつながること請け合いです。ま...

た物流マンも同席することで、勉強になることは間違いありません。

 

・・・・・・・・・・・・・

 以上のようなプロセスを経験することで、物流マンの視野はぐっと広がったといえるでしょう。それと共に新たなスキルも身につきました。このレベルに達して、はじめてサプライチェーンの効率化をリードしていくことができます。少しずつでもよいのでぜひ、視野を広める活動に取り掛かりましょう。

↓ 続きを読むには・・・

新規会員登録


この記事の著者