社外に飛び出そう:管理監督者の改善意識(その2)

 

◆ 生きた情報を集めるため、積極的に社外へ出掛ける

 自分の職場を一歩一歩、継続的に良くしていこうといった活動は大切です。しかし、その進め方を間違えると改善に限界を感じてしまい、もう今の状況が終着点だという思い込みにつながってしまう危険性をはらんでいます。ただ、それは自分たちが作り上げた限界であって、実際には一歩も二歩、いや百歩先が存在する可能性だってあるのです。

 前回お話しましたが、物流に携わる管理監督者は、常に自分の職場以外の職場で仕事に対し、どのような取り組みを行っているかについて意識し、情報を集める必要があります。改善が進んでいる会社が自社の百歩先を歩んでいるとすると、現状で改善の手綱を緩めた途端、市場での敗北は目にみえています。

 また、そんな事態を招かないためにも、管理監督者は積極的に社外に出掛け、情報を集めるのです。先端工場に見学に行くこともよいでしょう。物流管理を上手に行っている物流センターを訪ねることも効果的でしょう。

 外の会社を見ることで損をすることはありません。仮に自社の方が進んでいたとしても「うまくいかないやり方」を学ぶことだってできるはずです。それによって、自社が何かのタイミングで失敗することを防ぐことが可能となるでしょう。

 実作業面ばかりではなく、管理面でも他社は参考になると思います。物流品質向上のためにどのようなKPI(重要業績評価指標)を設定しているのか、部下の育成のためにどのような教育訓練を実施しているのかなど、参考になることがたくさんあります。

 物流現場の管理監督者は作業面の改善、管理面の改善に向けて意識を高く持たなければなりません。ですから、あくまでも「現時点が最低である」という認識を持つ必要があります。改善意識を高めるためには、物流の仲間が集まるような会合に出掛けたり、物流の勉強会に参加する...

ことも良いと思います。

 なぜなら、このような場では実際に改善について学べるでしょうし、良いノウハウを持った人と情報交換することが可能だからです。さらに何よりも良い人脈を確立できるというメリットがあります。言い換えるとこのような人たちと話で、自分たちの考え方の浅さに気付かされることもあります。

 進んで外に出掛け、生きた情報を吸収することがお勧めです。

 

 次回に続きます。

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