パフォーマンスを示すKPI:物流現状把握の重要性(その6)

 

◆ パフォーマンスを示すKPI

 社内で同じ業務をやっている、やっていない、やっていてもやり方にバラつきがあるといった事例は多々あるのではないでしょうか。今行っている物流作業が本当に必要な作業なのかどうかも現状把握を実施していくと見えてきます。「必要だからやっているんじゃないか」という声が聞こえてきそうですね。

 でもここは盲点になりがちです。ためしに会社の別の拠点や職場を見て下さい。その必要と思われる作業を実施していないかもしれません。仮にやっていたとしても別のやり方で実施しているかもしれません。その別のやり方の方が効率がよいかもしれません。

 そこで複数拠点、複数職場がある会社の場合には類似業務の洗い出しと比較をやってみるとよいのではないでしょうか。業務の洗い出しとともに「作業の方法」「その作業に要している時間」できれば「原単位」つまり1部品あたりの作業時間や1㎥あたりのコストなどを調査するとよいでしょう。

 もしかしたら社内で業務にばらつきがあるということは標準化できていないということかもしれません。これは問題です。標準化はすべての物流作業に必要ですが意外と行われておらず現場任せになっている可能性があります。標準化できていない場合には効率がよくない可能性があります。

 また標準が無ければそれに対する効率、すなわち仕事のパフォーマンスが測定できないことになります。同じ仕事をしていても職場で効率に差があるはずなのにそれが見えないということは問題です。

     仕事のパフォーマンス=標準からの乖離度

 とも考えられます。仕事のパフォーマンスに差があるにもかかわらず同じ給料をもらうとするとこれは平等とは言えません。

 一方でこのような状態を放置しているということは現場を管理できていないと...

いうことになります。ということで作業の標準化は現状把握と同時に並行して進めていくことが望ましいでしょう。一気に標準化は難しいとしたら第一歩としてその作業のボリュームを示すKPIを設定しましょう。これはこれで難しいという会社もあるでしょう。

 では簡単にある程度のパフォーマンスが見えるKPIの把握方法について考えてみましょう。

 

 次回に続きます。

 

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