物流作業標準化は必須 物流品質不良を撲滅するには(その2)

投稿日

 
  SCM
 
 物流作業は自由度が高いため、いろいろな手順で行うことができてしまいます。生産活動では多くの作業が一定の手順に従わないとできませんが、物流作業はそうではありません。その影響か物流現場の多くで作業のやり方にばらつきがあります。作業者ごとに手順や方法が異なるのです。
 
 この状況は決して望ましいものではありません。なぜなら物流作業のやり方を作業者任せにしているため、作業の出来栄えにばらつきが出るからです。簡単に言うと、物流現場では「現場管理」ができていないのです。表現が厳しいかもしれませんが、物流現場監督者は管理を十分に行わず、作業者に仕事を丸投げしているのです。
 
 この環境下で物流品質不良を撲滅することはできるでしょうか。残念ながらそれは100%不可能と言わざるを得ません。なぜなら作業者のAさんが自己流の作業を実施し、その作業品質が保証されているとはいえないからです。
 
 そこでまず基本に立ち返り、物流作業標準化から取り組みましょう。物流作業標準化は必須です。もっと言うと物流作業が標準化できていない状態で作業を開始してはならない、ということになります。
 
 作業手順を詳細に分析して定義し、それぞれの要素作業の中で注意すべきポイント、すなわち急所を明らかにしましょう。特に安全と品質に関する注意点はくどいほど書いた方がよいと思います。作業者に自己流のやり方を行なえる余地を残してはなりません。
 
 もちろん、標準作業を設定した上で、よりよい方法へと変更すること(改善)は問題ありません。それもまず基本となる標準作業があっての話です。
 
 物流品質不良に誤数があります。物流作業の中でも難しい部類に入るのが数のカウントです。ですから、数の数え方についてもルールを定めることをお勧めします。たとえば数は5個単位で数える、いった...
 
  SCM
 
 物流作業は自由度が高いため、いろいろな手順で行うことができてしまいます。生産活動では多くの作業が一定の手順に従わないとできませんが、物流作業はそうではありません。その影響か物流現場の多くで作業のやり方にばらつきがあります。作業者ごとに手順や方法が異なるのです。
 
 この状況は決して望ましいものではありません。なぜなら物流作業のやり方を作業者任せにしているため、作業の出来栄えにばらつきが出るからです。簡単に言うと、物流現場では「現場管理」ができていないのです。表現が厳しいかもしれませんが、物流現場監督者は管理を十分に行わず、作業者に仕事を丸投げしているのです。
 
 この環境下で物流品質不良を撲滅することはできるでしょうか。残念ながらそれは100%不可能と言わざるを得ません。なぜなら作業者のAさんが自己流の作業を実施し、その作業品質が保証されているとはいえないからです。
 
 そこでまず基本に立ち返り、物流作業標準化から取り組みましょう。物流作業標準化は必須です。もっと言うと物流作業が標準化できていない状態で作業を開始してはならない、ということになります。
 
 作業手順を詳細に分析して定義し、それぞれの要素作業の中で注意すべきポイント、すなわち急所を明らかにしましょう。特に安全と品質に関する注意点はくどいほど書いた方がよいと思います。作業者に自己流のやり方を行なえる余地を残してはなりません。
 
 もちろん、標準作業を設定した上で、よりよい方法へと変更すること(改善)は問題ありません。それもまず基本となる標準作業があっての話です。
 
 物流品質不良に誤数があります。物流作業の中でも難しい部類に入るのが数のカウントです。ですから、数の数え方についてもルールを定めることをお勧めします。たとえば数は5個単位で数える、いったん作業台の上に並べて数える、指差呼称しながら数えるなどのルールを設定することです。
 
 ある会社では碁盤の目を作ってその中に部品を並べながら数えさせています。碁盤の目の中には数字が記載されており、今の数がいくつなのかが分かる仕組みです。この方法を馬鹿にする現場は必ず物流品質不良を発生させます。基本をおろそかにせず、標準作業を忠実に実行する会社が高品質を生むのです。
 
 次回に続きます。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
第3のSCM: 社会変革共創を前提とした唯一の戦略 

           1. 既存と異なるSCMを考える  前回の「第3のSCM: 複雑系・安定・利益」では、需要か制約と同期させる既存以外のSCM...

           1. 既存と異なるSCMを考える  前回の「第3のSCM: 複雑系・安定・利益」では、需要か制約と同期させる既存以外のSCM...


サプライチェーンもTビジネスからeビジネスへ

 あらゆるビジネスが、伝統的な従来の商売のやり方(トラィデショナル:Tビジネス)から、コンピュータとインターネットを使った商売のやり方(エレクトロニクス:...

 あらゆるビジネスが、伝統的な従来の商売のやり方(トラィデショナル:Tビジネス)から、コンピュータとインターネットを使った商売のやり方(エレクトロニクス:...


配送のジャストインタイム、クロスドッキングとは

   物流は、メーカーの工場から小売店への小口配送までの間に、卸またはメーカーの物流倉庫という大口の配送・保管工程が介在するのが一般的です...

   物流は、メーカーの工場から小売店への小口配送までの間に、卸またはメーカーの物流倉庫という大口の配送・保管工程が介在するのが一般的です...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
物流を手段とした生産統制とは

1. 物流はモノと情報を運ぶ  サプライチェーンマネジメントという言葉が一般的になりました。モノを調達し、それを加工し、運搬してお客様にお届けするま...

1. 物流はモノと情報を運ぶ  サプライチェーンマネジメントという言葉が一般的になりました。モノを調達し、それを加工し、運搬してお客様にお届けするま...


  物流購入物品の改善とは:物流購買の勘所(その12)

  ◆ 物流購入物品の改善 連載してきました物流購買の勘所、最後に物流購入物品について触れておきたいと思います。   物流...

  ◆ 物流購入物品の改善 連載してきました物流購買の勘所、最後に物流購入物品について触れておきたいと思います。   物流...


物流改善とトヨタ生産方式

       ◆トヨタ生産方式とは  トヨタ生産方式とは、トヨタが自社の生産を最適化するために考案した仕組...

       ◆トヨタ生産方式とは  トヨタ生産方式とは、トヨタが自社の生産を最適化するために考案した仕組...