参加しやすいルールとは:提案について考える(その1)

 

◆ 参加しやすいルールとは

メーカーでは全従業員が毎月何かしらの提案を行っている会社が多いと思います。メーカーでは提案制度は、日常の活動です。これが別の産業となると立ちどころに提案活動に対する認識が薄れてしまいます。提案活動の大切さが理解できれば導入する産業もありますが、大半はこの制度自体を知らないことで実際に行われていないものと思います。

 

昔ある調味料メーカーでこのような提案がありました。「売上を伸ばすために何をすべきか」という課題に対してある現場の従業員が出した提案です。

 

「瓶の中蓋の穴径を大きくする」

 

いかがでしょうか。とってもナイスな提案だと思いませんか。これを実行すれば消費量が増えて売り上げ増につながるであろうという発想です。しかも穴径が大きくなったことは消費者には気づかれにくいものです。そこでごく自然に売上が上がるという構図です。

 

この提案は「使う立場に立った」発想です。常に顧客視点で考えなければよい提案はできません。もちろん、この提案の場合は顧客にとってありがたい話ではありませんが・・・。


よく提案制度を導入してもなかなか長続きしない会社があります。その理由として難しく考えすぎるということがあるような気がします。

 

提出されたアイデアについて発想力や実現性などについて細かく採点するなどといった会社が多々あります。よりレベルの高い提案を提出してもらうことで会社としての収益向上につなげたいと考えるからです。もちろん提案制度が成熟して来ればこのようなしくみも必要だと思います。しかし一方で従業員側からするとあまりレベルの低い提案は出しづらくなります。

 

導入時は「どのような内容でも良いので提案して欲しい」というレベルからスタートすればよいのではないでしょうか。

 

たとえばコピー機に1枚当たりいくら...

、と明示するという提案でもよいのです。これによってムダなコピーを防ぐことができるかもしれません。ただし大きな改善効果は望めません。ポイントは皆が参加しやすいようなルールにすることです。まずはハードルを下げて誰でもが入っていけるようなしくみを考えてみましょう。

 

次回に続きます。

 

 

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