過剰荷姿とは:荷姿改善の重要性(その1)

 

◆品質を考慮した荷姿

すべての物流機能を果たすために荷姿は必要で、それは保管のため、運搬のため、輸送のためということになります。しかし顧客にとってみると、荷姿は不要の機能にすぎません。私たちも生活の中で製品を購入した際に、製品を保護している荷姿、特に段ボールを目にしています。

 

この段ボールですが、一回製品を取り出すと後はゴミになってしまいます。製品を包んでいるポリ袋も同様です。これらの資材はあくまでも製品を輸送したり保管したりするときに製品を保護するためにあるのです。私たちにとって必要なのは製品そのものであり、段ボール箱やポリ袋は不要なわけです。

 

これは一般消費者だけがそう感じているだけではありません。企業間でのモノのやり取りでも同様です。部品を購入しているメーカーは部品そのものを必要としています。それを包んでいる資材は不要です。ここで私たち物流に携わる者が意識しなければならないことがわかってきます。それは「荷姿は最小限とする」ということです。

 

輸送途上の品質を考えてしまうと、ついつい大掛かりな荷姿になる傾向があります。これを一般的に過剰荷姿と呼びます。品質不良の発生を恐れ、過剰な包装を行ったり、製品と同等以上の容積を占める箱に入れたりしてしまうのです。

 

品質を保持するために緩衝材を使うことがあります。毎回リサイクルして使うことができれ...

ばよいのですが、1回ごとに捨てるタイプではごみが発生するばかりです。品質保持はわからないではありませんが、荷姿コストや資材の有効活用についても考えていかなければなりません。

 

次回に続きます。

◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』

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