サプライチェーンマネジメント:物流業務での若手育成(その3)

 

◆物流の発生要因を学ぶ

物流管理というよりサプライチェーンマネジメント。これこそが若手社員が身につけていかなければならないスキルです。若手スタッフにはサプライチェーン全般の知識を身につけさせるようにしたいものです。物流というととかく輸送だとか保管だとか狭い領域での話になりがちです。それはそれでテクニカルスキルの一環として必要なのですが、重要なことはそもそも輸送や保管が発生する要因についてきちんと理解すべきでしょう。

 

しかし若手社員にサプライチェーンマネジメントについて教えられる上司が少ないことが問題になるかもしれません。メーカーであれば生産計画や調達を行っている部署に実習に行かせることが効果的です。何が要因で保管が発生しているのか、それを縮めるためには何をしなければならないのかを学ぶ必要があります。

 

メーカーの製造部署は自分たちが作りやすいようにオペレーションを行う傾向があります。その結果として在庫が発生し、その置場も必要になります。大体、保管は物流の仕事だから「あとは物流でうまくやってよ」と言われるのが落ちです。この在庫発生のメカニズムを知らなければ言われるままに仕事をするしかないのです。

 

何となく割に合わないな、と感じつつもそうせざるを得ない物流。この状況からは脱却しなければなりません。若手社員には物流がもっと主体的に仕事ができるようなスキルを身につけさせましょう。後はテクニカルスキルとして荷姿改善やトラックへの積み合わせ改善などを経験させて、今の状態を変えられる能力を身につけさせます。毎月1件以上改善させることで着実に身についていくはずです。

 

物流を定量化するスキルも必要です。物流はとかくカンコツで仕事をしがちですが、それは正しい姿とはいえません。仕事を標準化すること。そして標準時間を設定して仕事をこなすべき時間を明確化すること。さらに仕事の生産性を測定でき評価できるようにすることです。

 

社内の別...

部署での実習や外部研修などを通して、ぜひ物流における若手スタッフを育成していきましょう。他部署に言われるがままの仕事、自ら判断できない仕事とはもう決別すべきです。それができる若手を育てることは私たちの責務でもあるのです。 

 

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