前回のゼロ・ベース経営のすすめ、7ゼロ生産実現マニュアル(その13)に続けて解説します。
『7ゼロ生産』実現マニュアル~生産性7つの阻害要因とゼロベース思想~
第2章 7ゼロ生産の指標と全体関連
2. 7ゼロ生産指標のつくり方
7ゼロ生産は、製造1課とか旋盤課といったある特定の1部署だけで行うものではない。企業が喰うか喰われるかの闘いの中で、真剣に明日の姿を念じ、本来あるべき姿という理想形に立脚して、現実を変革する企業革命なのである。まして、7ゼ口生産で極めていく重要な1つの要素に“流れ”がある。これは単に“物の流れ”にとどまらず、“情報の流れ”とそしてその両者から発生する”仕事の流れ”の3つの流れが大切となる。
この流れは旋盤課といった1部署だけの問題ではない。加工部門全体の問題であり、組立部門、ひいては外注業者、購入業者にまで大きく広がる。さらに情報の流れを中心に置くと今度は、工場のみならず、設計部門や販売部門、管理部門そして経営とすべてを捲き込むことにもなる。
流れは点と点の結びつきから始まり、線となり、それが面を構成しやがて立方体となる。企業の経営効果とは個々の能率向上ではなくて、全体の能率向上でなければならない。それゆえ、1つの課とか部でのゼロ生産でなくて、全社をあげて7ゼロ生産に取り組み、かつ全社的な経営指標を主軸に展開したいものである。
7ゼロ生産における経営指標のつくり方には、図2-2-1で示す5つのチェックポイントがある。
図2-2-1「7ゼロ生産指標のつくり方」
次回に続きます。
【出典】「『7ゼロ生産』実現マニュアル」ジット経営研究所刊 平野裕之著...