◆ビックデータ時代、人材不足の深刻化
産業界が注目するビッグデータビジネスにおいて専門知識を持ちデータを活用出来る専門家をデータサイエンティストと呼称します。政府はビックデータ関連ビジネスの経済効果は将来的に7兆円と試算しているようですが、必要なデータサイエンティストの数は25万人も不足するとのことです。
米国マッキンゼーが2011年に発表したビックデータに関するレポートでも2008年の 米国実績から2018年までに必要なデータサイエンティストは需要に対し14万~19万人も不足し、これは推定供給数の5~6割にも達すると推測しています。つまりIT大国のアメリカですら見込みの1/3の人材が不足すると予測しているわけです。
教育機関におけるスペシャリストの養成見込みは米国24000人に対し日本はその約1/8でランキング11位と後塵を拝しています。
1.アメリカ
2.中国
3.インド
4.ロシア
5.ブラジル
上位五カ国は上の通りですが日本の順位が低いのは統計解析を専門に扱う学部が少ない事が主要因の一つに推測されています。データサイエンティストとは次のように定義されているようです。「統計学、機会学習、プログラミングや可視化等のビッグデータ分析に必要な高度なスキルを有し、分析結果を新たな知に結びつけビジネスの課題を創造的に解決する人材」
分かりやすく言うと統計学とITの知識を活かして業務上の課題を達成したり新たなビジネスチャンスを見つける事が出来る人材と言う事でしょうか。単なる分析屋さんではダメで問題解決や課題発見・達成力、またマーケティング力も必要だと言うことが読み取れます。
単にデータを処理する統計屋さんより実務にも秀でている人がより高い成果を上げられる様に感じます。経済産業省のレポートでデータサイエンティストに必要な能力として、次の5つが挙げられています。
1.データを扱う統計学の知識
2.仮説を基にデータを解析する手順を組み立てる能力
3.データを解析するソフトウェアを使いこなす能力
4.データを解析した結果をビジネスに適用するストーリーを組み立てる能力
5.データを解析した結果を可視化して他人に伝える能力
(経産省 我が国情報経済社会における基盤整備報告書より引用)
少しわかりにくい部分もあるので解説すると、2は膨大なデータから何を抽出・分析する事により目的を達成できるかと言うデータ整理と分析プロセスを考える力と言えます。5はデータを第三者にも分かりやすい形(表やグラフ)で示し結果の意味するものを伝える能力と言うことです。皆が皆プロフェショナルでは無いですから共通の理解を得るにはわかりやすい形式に落としこむ必要があります。
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